壱岐が離島のハンデ乗り越え、初の甲子園…島外強豪校の誘い断り「地元のメンバー」で結束
読売新聞 / 2025年1月25日 14時16分
第97回選抜高校野球大会の出場校が24日に決まり、長崎県・壱岐島にある県立壱岐高が21世紀枠で選ばれた。対外試合をするのにも移動の苦労があるなど、離島のハンデを乗り越えて手にした初の甲子園切符。選手たちは「地域を活気づけられるプレーをしたい」と意気込んでいる。
学校で中継を見守った選手たちは、校名が発表されると大きな歓声を上げた。浦上脩吾主将(2年)は「夢だった『壱岐から甲子園』をみんなと達成できてとてもうれしい」と喜んだ。
壱岐島は人口約2万4000人。同校は生徒約400人で、野球部の選手21人とマネジャー4人は全て島の出身だ。
中学時代に島外の強豪校から誘いのあった選手もいた。それでも、岩本篤弥選手(2年)が「地元のメンバーで甲子園に行きたい」と言うように、中学で県選抜チームに選ばれた選手らはそろって同校に進学。坂本徹監督(40)は「最大の強さは仲の良さ」と語る。
離島ならではの苦労がある。同校では県内の他校と試合をする時、フェリーやバスを乗り継いで2~3時間かけて移動するのが普通だ。公式戦では宿泊も伴い、1泊2日でチームで30万円ほどかかるため経済的な負担も大きい。また、学校のグラウンドは陸上部やサッカー部と共用で、自由に使うことができない。
選考委員会はこうした環境の中で、工夫して練習し、好成績を残したことなどを評価。同校は昨秋の県大会で準優勝し、初の九州大会で8強入りした。たくさんのOBや島民の声援を受け、選手たちは「大きな応援が力になった」と感謝する。
浦上主将は「まずは1勝を目標に、甲子園で校歌を歌いたい」。島の大きな期待も背負い、夢の舞台に挑む。
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