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花粉症で受診の列、例年より2週間早く…都内の飛散開始は記録を23日も更新で「長引くかも」

読売新聞 / 2025年1月25日 14時0分

クリニックには早くも花粉症患者が診察を受けに訪れている(23日、東京都品川区で)=佐々木紀明撮影

 冬のまっただ中にもかかわらず、花粉が飛び始めている。東京都は今月8日、1985年の調査開始以来最も早い飛散開始を確認。全国的にも飛散は早めで、大量に飛散する地域もあると予測される。温暖化が原因との見方もあり、専門家は「症状を感じたら早めに医療機関を受診してほしい」と呼びかけている。

クリニックに列

 東京都品川区の「ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック」では例年、2月に入った頃から花粉症患者が来院し始めるが、今季は1月中旬から待合室に受診の列ができている。

 23日に来院した会社経営の男性(68)もいつもより約2週間早く、くしゃみや鼻づまりの症状が出始めた。「春まで症状が続くのは勘弁してもらいたい」とうんざりした表情。永倉仁史院長は「飛散開始が早い分、花粉シーズンは長引くかもしれない。軽い症状で済むよう早めに治療を受けてほしい」と話す。

「常識」覆す早さ

 東京都は都内12区市の観測地点に花粉捕集器を設置しており、捕集器のガラス板1・8センチ四方あたり、4個以上の花粉が2日連続で付着したら、「飛散開始」と判定する。今年は大田区の観測地点で8日に4個、9日に6個を確認。8日を「飛散開始日」と発表した。

 都によると、飛散開始は昨年より32日早く、最も早かった2007年(1月31日)を23日更新した。飛散量は例年の2割増、花粉の多い日は例年より1週間長い42日間と予測する。

 学界では、年初からの日々の最高気温を積算して計400度を超えた時点を飛散開始の目安とする。だが今年は8日現在、都心で計86・6度しかなかった。都の担当者は「こんなに早まるとは、従来の『常識』は通用しないのか」と驚く。

温暖化が影響か

 飛散開始の早期化は全国的な傾向とみられる。

 気象情報会社「ウェザーニューズ」が今月9日行った調査では、西日本と東日本の太平洋側で同社のアプリ利用者から「花粉を感じる」との報告が多く寄せられた。東日本と北日本で飛散が平年よりやや早まる見込み。西日本は平年並みだが、昨夏の好天でスギの生育状態が良いことなどから、飛散量は過去10年で最多となる恐れがあるという。

 早期化の原因は温暖化にありそうだ。気象庁によると、年間平均気温は23、24年に2年連続で過去最高となり、今季の都心は最低気温が0度未満の冬日が1日しかない。同社の担当者は「温暖化が飛散開始を早め、飛散量増加をもたらす要因と考えられる」と話す。

「国民病」増加の一途

 「国民病」とも呼ばれる花粉症。日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会などの調査では、1998年に19・6%だった花粉症の人の割合は、2008年に29・8%、19年が42・5%と増加の一途をたどる。

 花粉症対策としては、花粉が目や鼻などに付かないよう、マスクや眼鏡、帽子を着用したり、室内をぬれたぞうきんやモップで掃除したりすることが効果的だ。都健康安全研究センターは「花粉をできるだけ体内に取り込まない工夫が、症状軽減につながる」とする。

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