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[棋聖戦コラム]第2局立会人の片岡聡九段、66歳の楽観と矜持

読売新聞 / 2025年1月26日 10時35分

第49期棋聖戦七番勝負第2局で立会人を務める片岡聡九段(中央)(25日、栃木県日光市で)

 一力遼棋聖(27)(名人、天元、本因坊)に井山裕太王座(35)(碁聖、十段)が挑む第49期棋聖戦七番勝負は、第1局を井山王座が先勝し、25日から栃木県日光市で第2局が打たれている。この対局の立会人は、天元2期の実績を誇る片岡聡九段(66)が務める。

昨年の「レジェンド戦」で26年ぶりの棋戦優勝

 昨年は「第3回テイケイグループ杯レジェンド戦」で優勝した。60歳以上かつ七大タイトルの獲得経験などがある棋士が参加できる棋戦で、今年も本戦進出を決めた。同棋戦初の2連覇を目指す。

 レジェンド戦は、1998年の早碁選手権戦以来、自身26年ぶりの棋戦優勝だった。準決勝では王銘琬九段(63)、決勝では小林覚九段(65)を破った。両棋士と片岡九段に王立誠九段(66)を加えた4人は、「若手に負けない」を目標に、40歳代後半から約10年間続いた研究会「四十会」のメンバーだった。全員が七大タイトルを複数回獲得した名棋士で、片岡九段は「囲碁界の第一線を争ってきたメンバーに勝っての優勝は、感慨深い」と振り返る。

自身が主宰する研究会、かつては一力棋聖が腕磨く

 ただ、レジェンド戦優勝後は勝ちが遠のいた。8月末から若手強豪との戦いが続いて4連敗すると、9月下旬から年明けまで対局がなくなった。「こんなに対局がないのは久しぶりだった」。1月の第50期棋聖戦予選トーナメント1回戦で連敗を脱出して、「Cリーグに入りたいね」と意欲を見せる。

 片岡九段の元では、かつて一力棋聖が腕を磨いた。一力棋聖が13歳でプロ入りする前後、片岡九段は自身が主宰する研究会に受け入れた。「菓子折りを持ってやってきた一力棋聖の緊張した様子は、今でも覚えている」。研究会では、約20人の参加者が月1回、2局を打ち、感想戦を重ねた。一力棋聖は4、5年前まで参加し、参加期間の後半はほぼ負けないほどに成長した。

「勝負になると思っていないと面白くない」

 最近は「若手と当たれるだけありがたい」と謙虚に語る片岡九段。一方で、「勝負になると思っていないと面白くない。楽観的なんです」と笑う様子に、勝負師の矜持(きょうじ)が垣間見える。

 昔から続ける棋譜並べでの研究に、4年前からAI(人工知能)も取り入れ、形勢判断の正確性向上にも余念がない。「今年の目標は各棋戦の本戦入り。ベスト32以上になりたいね」(文化部 江口武志)

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