鴻池運輸元社員２人、特別背任容疑で逮捕…架空請求７０回で会社に１・８億円の損害与えた疑い

大阪府警察本部

　取引先に架空業務の請求書を提出させ、勤務していた鴻池運輸（本社・大阪市中央区）に約１億８０００万円の損害を与えたとして、大阪府警は２７日、いずれも同社元社員の男（３８）（同区）と女（３４）（茨城県神栖市）を会社法違反（特別背任）容疑で逮捕した。２人は取引先から現金などで一部をキックバック（還流）させていたという。

　捜査関係者によると、２人は鴻池運輸鹿島支店（同県鹿嶋市）の社員だった２０２２年７月～２３年１０月、取引先４社に架空業務の請求書を計７０回提出させ、鴻池運輸に計約１億８０００万円の損害を与えた疑い。

　鴻池運輸は東京証券取引所プライム上場企業で、資本金約１７億円。当時、男は同支店の課長、女は課員で、取引先との契約や支払い決定の権限があった。

　大阪国税局の税務調査で不正が発覚。同社は昨年３月、２人を懲戒解雇し、同７月に府警に告訴していた。同社の調査では、２人は２１～２３年、計７社との架空取引で計約４億４８００万円を支払っていたとみられ、府警は捜査を続ける。