トランプ氏「ディール」で紛争解決、ノーベル平和賞に執着か…ロシアがウクライナ停戦すれば「便宜」
読売新聞 / 2025年1月27日 18時28分
【ワシントン=池田慶太】米国のトランプ大統領は20日の就任直後から、中国やロシアなどの大国との間で「ディール(取引)」外交を展開すると意欲を見せている。意に沿わない場合は大幅に関税を引き上げると示唆して各国を揺さぶりながら、紛争解決などの目標達成を目指す方針のようだ。
トランプ氏は23日、オンラインで参加した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、就任直前に行った中国の
「願わくば互いに協力して、戦争を止めたいと習主席には伝えた」。トランプ氏はロシアに影響力を持つ中国の力も借り、2022年の開始からまもなく3年となるロシアのウクライナ侵略を終結させる道筋を描いているとみられる。
トランプ氏は就任演説の中で、自らが世界の「ピースメーカー(平和をもたらす人)」になるとの決意を示した。第1次政権(2017~21年)で築いた主要国首脳との信頼関係を礎にして、紛争の解決と抑止に取り組む意向だ。
ウクライナ侵略の当事者であるロシアのプーチン大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とは、いずれも第1次政権の時に何度も会談したことがある。プーチン氏とは退陣後にひそかに連絡を取っていたとされ、自分が和平の仲介者にふさわしいと考えているとみられる。
SNSでは、ロシアが停戦に応じれば「便宜」を図ると投稿し、「ディールを成立させる時が来た」と秋波を送っている。ただ、米国主導の国際秩序の維持に無関心なトランプ氏が、日本や欧州などの西側各国の事情を無視した取引を行う可能性も捨てきれない。
米CBSによると、トランプ氏は昨年12月にフロリダ州の邸宅に安倍晋三元首相の妻・昭恵夫人を招いた際、生前の安倍氏からノーベル平和賞に推薦されたことを振り返り、自分がいかにふさわしいかを語ったという。側近によれば、トランプ氏は平和賞に執着しているという。
トランプ氏は就任後、中国やロシアを含む枠組みによる核軍縮、中東和平の実現にも意欲を示している。
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