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中居氏への調査「女性のケアに悪影響」と危惧、社員の関与は「現時点でもないと判断」…フジテレビ会見

読売新聞 / 2025年1月27日 18時16分

記者会見で質疑応答に臨むフジテレビの遠藤龍之介副会長(左から2人目)、港浩一社長(同3人目)ら。左端は清水賢治・新社長(27日午後、東京都港区のフジテレビで)=片岡航希撮影

 元タレントの中居正広氏(52)の女性トラブルにフジテレビ社員が関与したと一部週刊誌で報じられた問題で、同社はこれまでの社内調査で判明した事態の概要を説明した。

三つのポイント

 会見では、「事案を把握してからの女性への対応」、「中居氏への対応」「事案が発生した食事会への社員の関与があったかどうか」の3点をポイントにあげて順に説明した。

 女性への対応について「当事者二人の極めてセンシティブな領域の問題」と判断し、機密性の高い情報管理を行ったとした。中居氏への対応については「女性のケアに悪影響があるのではないかと危惧した」ため、情報が共有できず、番組出演が続いたとした。食事会への関与については、「現時点でも社員が問題の食事会そのものに関与はしていないと判断」と説明している。

 フジテレビ側の説明は次の通り。

女性への対応について

 発端となった中居氏と女性との事案について、2023年6月に起きたと認識しております。23年6月にある社員が女性と話をし、事案を認識するに至りました。女性から伺った内容から、弊社は当事者二人の極めてセンシティブな領域の問題と認識しました。まずは何よりも女性の体調面の状況把握と回復が第一と考え、医師の判断を仰ぎながら専門医とも連携し、以降、その専門医の指導に基づき対応していくこととなりました。

 一方で、女性からはとにかく事案を公にせず、他社に知られずに仕事に復帰したいという強い意向がありました。女性の意思を尊重し、情報が漏れることのないように、極めて機密性の高い事案として情報管理を行いました。事案の性質から、幹部社員、役員、最終的には社長まで報告されましたが、社内では数名のみが知る状況でした。なお、社長への報告は23年8月でした。

 そうした状況の下、女性に対しては自然な形での仕事への復帰を願い、医師と連携しつつ、声掛け、電話チャットでのやり取りを通じて体調の確認などを行い、心身の回復を見守ってまいりました。直接的なコミュニケーションが難しい期間もありましたが、医師の指導を仰ぎながら、時期に応じて適宜連絡をし、医師による面談も続きました。

中居氏への対応について

 本件は、人権侵害が行われた可能性のある事案でありながら、事案が一部社員で認識された後、適切に社内で共有されず、中居氏に関しても正式に調査が行われませんでした。この判断の理由は、もし正式な調査に着手することで新たに多くの人間が知ることになると、結果、女性のケアに悪影響があるのではないかと危惧したということになります。

 仮に調査を受けた中居氏から女性に連絡がいくようなことがあれば、さらに傷つけてしまうのではないかという考えもありました。そうした事情で、直ちに積極的に聞き取りを行うことはありませんでした。女性とは医師を通じたコミュニケーションしかできず、繊細なことを確認しにくい時期もあり、状況が安定するまで待とうという考えでした。

 その一方で、23年の7月に中居氏から弊社社員に連絡があり、中井氏が女性とは異なる認識を持っていることを把握しました。二人だけの場の出来事であり、当事者以外が介入しづらい難しい問題と捉え、その後、当事者間で示談の動きが進んでいくとの情報が加わったことも、調査を躊躇(ちゅうちょ)する一因になりました。

 また、中居氏の番組出演の継続について申し上げます。こちらも本来、中居氏への調査をもとに適切に判断されるべきでした。

 中居氏の出演番組「まつもtoなかい」は23年4月に始まったばかりの番組でしたが、開始から間もなく唐突に終了することで臆測を呼ぶことを憂慮し、当初番組を中止するような大きな動きを作ることを控えたいという考えがありました。一方で、24年1月に出演者である松本人志氏が芸能活動休止を発表し、番組出演を休止することになりました。

 例えば、この松本氏の件を理由として番組を終了する機会があった可能性がございます。そうした状況にも関わらず、「だれかtoなかい」と変更となり、番組出演は継続されました。また、その間、社内での情報共有も限定されていたことから、他の単発番組への出演が続いておりました。この点、判断が適切だったのかどうか、第三者委員会の調査に委ねる領域のことと考えております。

 本来は、当社グループが23年11月に策定したグループ人権方針に基づき、女性へのケアとは別に中居氏に対する調査を行った上で、番組出演の継続について判断する必要があったと考えられます。本事案に関わっていた者の人権への意識の不足やガバナンスの問題については、第三者委員会に委ねることになります。

食事会への社員による関与があったか

 昨年24年の7月ですが、女性が社員らと面談した際に様々な話題の中で社員に対する嫌悪感を示したことがありました。しかし、面談した社員らは、社員が中居氏と女性の関係に対して何か問題のあるような関わりがあるとは認識しませんでした。よって、社員に対する事実確認までは行いませんでした。その後、昨年末の報道の段階で、社員が中居氏と女性の間に直接の関与があったかのような指摘を受け、社員の存在が取り沙汰されることになりました。

 報道によれば、女性は中居氏から社員を含む会食に誘われたが、他の参加者は直前にキャンセルし、中居氏と二人きりになり、そこで意に沿わない行為を受けたとされています。報道を受け、社内では特命担当役員のもと、コンプライアンス推進室を含む社員10名程度が弁護士の助言を受けながら事実関係などを調べることとなりました。なお、女性への聞き取りはできておりません。この際の調査結果の資料も、今後の第三者委員会に提出させていただく意向です。

 調査メンバーは記事を確認後、社員に聞き取りを複数回行いました。社員は当日の食事会そのものの存在を把握しておらず、つまり会の設定はしておらず、したがってキャンセルしたこともないと話しました。また、社員はスマートフォンのショートメッセージやLINE等の履歴も提出しました。

 当該食事会が行われたとされる日の前後のやり取りを確認しましたが、社員と中居氏、あるいは女性とのやり取りにおいて、当該食事会への社員の関与をうかがわせる内容のものは確認できませんでした。一方、報道後、中居氏に対しても複数回の聞き取りを行いましたが、中居氏は社員は当該食事会に関わっていないと話しました。

 これらを受けて弊社は昨年12月27日、ホームページに社員の関与を否定する旨のコメントを出しました。一方で、1月の一部報道によると、当該食事会の前の5月に社員が中居氏宅で行われたバーベキューに女性を誘い、接待要員のように扱って参加したとされています。

 これについては、社員への聞き取りの結果、社員が女性に声をかけて中居氏の所有するマンションでバーベキューに参加したことが確認されました。参加者は中居氏を含む10人ほどだったとのことです。中居氏も弊社の聞き取りでバーベキューの存在を認めていますが、女性とどんなやり取りをしたのか等、現時点では詳細を確認できておりません。

 したがって、報道にあるように、問題の食事会がこのバーベキューの延長線上にあるとまでは評価するに至っておりません。

 また、1月の一部報道では、社員が21年冬に中居氏や芸能関係者、弊社社員、当該女性らと都内のホテルで懇親会を行ったとされています。これについては、参加した社員や別の社員からの聞き取りの結果、懇親会があったことは確認しております。ただし、記事にあるような目的であったとの証言は得ておりません。この懇親会をはじめ、その他のことも併せて第三者委員会の調査に委ねたいと思います。

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