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宿泊施設不足で日帰り客増の新潟・佐渡、新たな財源に「入島税」案…世界遺産登録から半年

読売新聞 / 2025年1月29日 16時15分

世界文化遺産登録を受け、観光客が増えている佐渡市の「史跡佐渡金山」(昨年7月撮影)

 新潟県佐渡市の「佐渡島さどの金山」が27日、世界文化遺産登録から半年を迎えた。登録で観光需要は高まったが、来島手段が船に限られることもあり、地元関係者からはオーバーツーリズム(観光公害)には至っていないとの見方が出ている。宿泊施設の不足で日帰り客が増えているとみられ、市の新たな財源導入を巡る議論では、宿泊税に代わり入島税が有力案として浮上している。(山田靖之)

 「佐渡で島民の生活が脅かされるようなオーバーツーリズムは起きていない。言葉の使い方は慎重にしたい」。今月22日に市役所で開かれた新財源検討会議の第2回会合で、委員を務める佐渡汽船の尾渡英生社長が意見を述べた。

 尾渡氏の発言は、市が作成した資料の中で、新財源の使途として記した「オーバーツーリズム対策」との言葉に苦言を呈したものだ。

 市によると、2024年に市内の観光施設を利用した観光客数は前年比6・5%増の47万910人。月別では登録後の8~12月、いずれの月も前年同月を上回り、特に10月は前年比12%増と目立った。

 ただ、観光客が離島の佐渡島に訪れる手段は、佐渡汽船の船しかない。同社の24年の輸送実績は前年比5・67%増の約127万人で、爆発的な伸びではない。

 尾渡氏は、世界文化遺産登録の影響について「飲食店や金山周辺で交通渋滞が起きた程度ではないか」との見方を示す。

 金山の保全などに充てる新財源を巡っては、事務局を務める市が検討会議の第2回会合で「徴収対象は宿泊者限定ではなく、日帰り客も検討すべきだ」と提案。委員からは日帰り客の増加を指摘する声が上がり、7人のうち6人が入島税の導入を支持した。

 同会議は、佐渡観光旅館連盟が昨年5月に宿泊税の導入を市に要望したことを受けて発足したが、今後は入島税を軸に議論が進む見通しだ。

 市は新財源の導入時期を示していないが、導入されれば事業者に徴収の負担や営業への影響が生じる可能性もあり、観光客の増加に伴う経済効果に水を差すのではないかと懸念を示す声もある。

 ある市内の民泊業者は「個人経営なのですでに物価高の影響を受けている。税金を取ることで、客足に影響しないだろうか」と話していた。

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