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フジ「やり直し」記者会見は異例尽くし…厳戒・日またぎ・CMなし中継、紛糾する場面も

読売新聞 / 2025年1月28日 6時0分

 引退を表明した元タレントの中居正広さん(52)の女性トラブルにフジテレビ社員の関与が報じられた問題は、同社の嘉納修治会長と港浩一社長が辞任する事態に発展した。27日午後4時に始まった異例の「やり直し」記者会見は日付が変わっても続き、経営陣が後手に回った一連の対応を謝罪した。

「透明性欠いた」

 「先日の会見はテレビ局としての透明性、説明責任を欠くもので、カメラから逃げたと言われても仕方ない。メディアの信頼を揺るがしたことを痛感している」。港社長はこう語り、苦渋の表情を浮かべた。

 記者会見は17日に続き2回目。前回は参加者を限定した上、映像の撮影すら認めなかったため、強い批判を浴びた。

 フジテレビは今回、会見冒頭の様子を生中継し、その後の質疑は女性のプライバシーを保護するためとして10分遅れで放送。予定していた番組の放送を取りやめ、CMを挟まずに会見の様子を伝え続ける異例の対応をとった。

 会見が行われた東京・台場のフジテレビ本社には、会見の約2時間前から、海外メディアを含む100人以上の記者やカメラマンらが詰めかけた。参加者は事前申請だけで約160媒体、400人を超えたという。

 本社入り口では、手荷物検査と金属探知機による身体検査を行う厳戒態勢が敷かれた。同社担当者は「初対面の記者やカメラマンを幅広く受け入れることを優先したため、役員や報道陣の安全性を確保するためやむを得なかった」と話した。

■日枝氏は現れず

 フジテレビの労働組合は日枝久相談役の会見への出席を求めていたが、この日は登壇しなかった。フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長は「企業風土の礎をつくっていることは間違いない」と述べた上で、中居さんの問題に直接的に関与していないとして「ここに登壇する必然性はない」と語った。

 会見ではトラブルの内容に関する質問が相次いだ。しかし港社長らは、プライバシー保護や個人の特定を避けるとの理由で回答を拒否し続け、紛糾する場面もあった。

 港社長は、食事会の開催に関与したと報道された社員については「当該日の(通信)履歴と中居氏へのヒアリングを精査した結果、関与していないと信じるに足る」とし、改めて否定した。

社員「本当につらい」

 一連の問題について、社員からは憤りの声が聞かれた。

 20歳代の男性社員は「取引先などから説明や謝罪を求められるのは我々一般の社員だ。会社が説明責任を果たさないと、現場にも悪影響が続く」と話した。その上で「会長と社長が辞任しただけで企業風土が変わるわけではない」とこぼした。

 報道局に所属する40歳代の女性社員は「会見をやり直したところで簡単に信頼は回復しない。営業や編成だけでなく、報道取材の現場でも『人を批判できる立場なのか』と後ろ指をさされている。本当につらい」とため息をついた。

不祥事で会見 過去にも批判

 不祥事を起こした組織のトップらが謝罪や説明のために開いた記者会見で、言動や会見のあり方が批判された例は過去にもある。

 中古車販売大手・旧ビッグモーターは2023年7月、従業員がゴルフボールで車体を傷つけ、自動車保険金を不正請求するなどの不祥事が発覚した。同社の兼重宏行社長(当時)は記者会見で「ゴルフを愛する人への冒涜ぼうとくだ」と発言し、「当事者意識に欠ける」と批判された。

 18年5月にアメリカンフットボール部選手の危険なタックルが問題となった日大では、当時の大塚吉兵衛学長が記者会見したのは、危険なプレーをした選手や監督が会見を開いた後だった。同大の学生からは「あまりにも対応が遅い」と非難する声が上がった。

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