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書くことは「セルフセラピーに近い」……コラムニストのジェーン・スーさん

読売新聞 / 2025年1月31日 15時30分

若杉和希撮影

「へこたれてなんかいられない」ジェーン・スーさん

 取材は連休明けだった。「つまらない休みを過ごしてしまった」と記者がこぼすと、はっきりとクギを刺された。

 「自分がつまらないと思うのか、誰かと比べてつまらないと人から思われそうな一日だったのか、全然違うじゃないですか」

 自分が主体的に判断して、面白いと思うか、つまらないと感じるか。ラジオに雑誌に引っ張りだこのコラムニストは、社会情勢から身近なことまで、「ジェーン・スーのメガネを通して見た私たちの日常」をつづった。

 猛烈な働きぶりについてこられなくなった50代の体、ドラッグストアでの無駄遣いでストレス発散、友人づきあいに親の老いとの向き合い方。「自分の生活が、自分にとってどうなのか精査していくのが大事なこと。私の仕事はそれかな」

 例えば、仕事は「やり甲斐がい」より、「手ごたえ」。「仕事の評価を他者の判断に委ねて、それを『やり甲斐』にしてしまうと自分自身がなくなってしまう。仕事に自分自身が満足して、次の仕事を発注されたという『手ごたえ』が大事なんです」

 作詞家やラジオパーソナリティーとして活躍する傍ら、文章を書き始めた。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』など、切れ味鋭いエッセーで人気だ。

 書くことは、「セルフセラピー」に近いという。「書いて、納得して、体の中に癒着していたものを剥がして、川に流して終わる」。日中はラジオの収録、夜は執筆という「二交代制」の毎日を送る。

 多忙な日々の癒やしは、プロレス観戦。昨年は80回以上、大会を見に行った。「余暇の9割9分はプロレスですから」。さらりと言い切った。(中央公論新社、1760円)小杉千尋

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