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「尊厳全て奪われた」「肉が焼ける臭いの黒煙」…アウシュビッツ解放80年式典で生存者が証言

読売新聞 / 2025年1月28日 22時47分

 【オシフィエンチム(ポーランド南部)=工藤彩香】ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の象徴となったアウシュビッツ強制収容所の解放から80年となった27日、ポーランド南部オシフィエンチムの収容所跡地で追悼式典が開かれた。式典では生存者4人が収容所での壮絶な体験を証言し、出席した外国要人らは惨劇を再び起こさないと誓った。

 母と叔母が収容所のガス室で殺害されたレオン・ワイントラウプさん(99)は「人間の尊厳を全て奪われた。煙突から立ち上る、肉が焼ける臭いの黒煙に絶えず苦しめられた」と振り返った。排外主義を掲げる極右や急進右派の欧州での台頭を念頭に「アウシュビッツ解放記念日の追悼は非人道的な行いを想起させるだけでなく、急進的で反民主的な右派の声の高まりに対する警告でもある」と強調した。

 式典には生存者56人のほか、ドイツのショルツ首相や英国のチャールズ国王、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領ら約50か国の外国要人が出席した。パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は欠席した。

 生存者の平均年齢は86歳と高齢化が進んでいる。

◆アウシュビッツ強制収容所=1940年に開設された最大級の強制収容所で、ガス室で計画的なユダヤ人抹殺を実行した「絶滅収容所」の一つ。45年1月27日に旧ソ連軍が解放するまでユダヤ人ら約110万人が殺害されたとみられる。ホロコースト全体の犠牲者は推計600万人に上る。

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