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短くなる恵方巻…原材料高の中で商戦本格化、節約志向に対応し需要喚起狙う

読売新聞 / 2025年1月29日 5時0分

恵方巻きの予約を受け付けるスーパーの食料品売り場(20日、東京都品川区で)=和田康司撮影

 節分(2月2日)に向けた恵方巻き商戦が本格化している。コメやのり、具材など原材料価格の高騰を受け、平均価格は例年よりやや高め。各社は小さめのサイズを用意するなど、消費者の節約志向に対応しながら需要喚起を図っている。

 イオンリテールは今年、長さ約6センチと通常の3分の1サイズの販売を始めた。昨年はハーフサイズ(同9センチ)の売れ行きが前年比4割増と好調だったことから、さらに小さいサイズを用意し需要を取り込む狙いだ。

 イクラや煮穴子を使った有名すし店監修の「極 太巻」は1本1490円(税込み)だが、3分の1サイズは537円で販売する。担当者は「一人暮らしや高齢で量はたくさんいらないという人も多く、手に取りやすくした」と話す。原材料価格の上昇を見込み、早めに調達に動くなどの取り組みで大半の商品は価格を前年から据え置いた。

 帝国データバンクが全国のスーパーやコンビニなど約100社を対象に調べたところ、今年の恵方巻きの平均価格は前年比14・2%上昇の1094円で、初めて1000円を超えた。物価高が本格化する前の2022年(832円)から約260円高くなっている。

 価格上昇は需要にも影を落とす。総務省の家計調査によると、節分の日の恵方巻きを含む持ち帰りずしの消費額は、価格上昇が顕著となった24年に前年比1・5%減少。「消費者の節約志向が影響している」(大手スーパー)との見方が多い。

 日本橋三越本店(東京都中央区)で扱う恵方巻きも前年比で5~10%ほど値上がりしている。豪華な海鮮具材を使った定番商品に加え、卵焼きやとんかつなどが入った手頃なものも用意し、多様な価格帯の商品で需要を取り込む。

 売れ残りで食品ロスが課題でもある恵方巻きだが、最近は予約での購入比率が高まっている。ファミリーマートは24年の売り上げの5割弱を予約が占め、今年は予約期間を最大5日間延長した。担当者は「食品ロス削減のためにも、極力予約で買い求めてほしい」と話していた。

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