「人類滅亡まで残り89秒」…「終末時計」、核使用懸念で1947年以降で最も短く
読売新聞 / 2025年1月29日 10時41分
【ワシントン=冨山優介】午前0時を人類滅亡の時刻に見立てた「終末時計」の残り時間が「89秒」になった。2023年、24年の「90秒」からさらに短くなり、1947年の公表開始後、最も短くなった。
米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」(原子力科学者会報)の専門家グループは28日、ワシントンで記者会見し、ロシアのウクライナ侵略や緊迫する中東情勢を踏まえ、核兵器使用の恐れに懸念を示した。地球温暖化や人工知能(AI)による偽情報なども、人類への脅威だと説明した。
記者会見では、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が昨年、ノーベル平和賞を受賞したことも紹介された。専門家グループ代表のダニエル・ホルツ氏(米シカゴ大教授)は「核の脅威は過去のものではないと思い起こさせてくれた」と強調した。
同誌は毎年、終末時計の残り時間を公表。公表開始時の1947年は「7分」で、冷戦終結後の91年が「17分」で最も長かった。
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