コロナ無料検査の水増しで都の補助金８億円詐取の疑い、男７人逮捕…無関係の名簿使って虚偽報告か

警視庁

　東京都の新型コロナウイルスの無料検査事業を巡り、検査数を水増しして補助金約８億円を詐取したとして、警視庁は２９日、東京都中央区の医療関連会社「アイチェック」（現・日本ＩＣ）元営業推進課長の島田雅史容疑者（５９）（品川区小山）ら男７人を詐欺容疑で逮捕した。無関係の名簿に記載された個人情報を使って架空の申請をしていたとみている。

　他に逮捕されたのは、コールセンター運営会社社長の渡辺大介容疑者（４０）（練馬区小竹町）ら。

　発表によると、７人は共謀して２０２２年１０月～２３年１月、都内約２０か所の検査所で行ったＰＣＲ検査と抗原検査の実施件数を、約１１万９０００件水増しして都に報告し、都から計約１５万９０００件分の補助金約７億９５００万円をだまし取った疑い。

　アイチェックは、別の検体検査会社と共同で検査所を運営していた。島田容疑者は、渡辺容疑者らが知人から集めた唾液を検体として提出。都からの照会に備え、検査実績の報告書には、無関係の名簿を基に別人の名前を記入していたという。

　外部から通報を受けた都の調査で不正が発覚し、都が昨年６月に警視庁に告訴していた。同庁は銀行口座の分析などから、島田容疑者が補助金を私的に流用し、他の６人に分配していたとみている。