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3月に来日するエリック・ルー…叙情と洗練のピアノ、若手の仲間ケイト・リウと共演 

読売新聞 / 2025年1月31日 17時0分

「『個性』の表現は難しい。演奏者の人間性が反映されますから」=後藤嘉信撮影

 国際コンクール優勝を手始めに活躍の場を広げ、進境著しい米国の若手ピアニスト、エリック・ルー(27)が3月に来日する。10代後半で世界のひのき舞台にデビューした新鋭は、着実に歩みを進め、自らの進むべき道を見いだしつつある。(松本良一)

 メランコリックな叙情とみずみずしい情熱が、甘美なメロディーを奏でる。一昨年と昨年、東京のコンサートで聴かせたショパンのピアノ協奏曲第2番は、若き天才作曲家の楽想を余すところなく伝えた。「最も身近で強い共感を覚える作曲家。難しく考えずに直感で弾いています」。洗練されたテクニックでナイーブな歌心を表現する。

 中国系の両親の元に生まれ、米フィラデルフィアのカーティス音楽院に学び、2015年にショパン国際ピアノコンクールで4位に入賞した。当時17歳。「ショパン・コンクール参加は早過ぎたかも。当時の演奏はスナップ写真のようなもので、今聴くと不満もある」と率直に話す。

 その後、18年に英国のリーズ国際ピアノコンクールで優勝し、本格的なキャリアをスタート。ワーナーからショパンとシューベルトのCDも出している。「世界中でコンサートを開くようになり、多くのことを学んだ。それが自分の演奏を進化させているといいのですが……。進化とは、必ずしも良くなることを意味しませんから」。言葉は意外に内省的で慎重。強気で意気盛んな若者といった印象はない。

 現在のレパートリーはショパンのほかモーツァルト、シューベルト、ブラームスなど。コンサートで納得のいく演奏をするため、年間の演奏回数は50回程度に抑えている。「ピアノ以外の音楽にも多く触れ、自分に何がどこまでできるのかを見極めたい。今はバッハのカンタータをよく聴いています」。音楽と向き合う時の誠実さが、演奏に若者らしからぬ深みを与えている。

 3月5日午後7時から横浜みなとみらいホールで共演するのは、15年のショパン・コンクールに共に参加して3位に入賞した米のピアニスト、ケイト・リウ(30)。恩師も同じ世界的ピアニストのダン・タイ・ソンだ。「最近一緒に弾くことが多い。素晴らしいピアニストです」

 曲目は前半がショパンで、ルーは「幻想ポロネーズ」ほか、リウはピアノ・ソナタ第2番を弾く。後半はモーツァルトの2台のピアノのためのソナタほかを共演する。(電)045・682・2000。

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