ソニーグループの十時裕樹社長、ＣＥＯ兼務へ…「更なる進化・成長に挑戦できる」

ソニーグループの十時裕樹氏（２３日、東京都港区で）

　ソニーグループは２９日、十時裕樹社長（６０）が最高経営責任者（ＣＥＯ）を兼務する人事を発表した。吉田憲一郎会長ＣＥＯ（６５）は、代表権のある会長となり、経団連の副会長として財界活動にも注力する。４月１日付。十時氏に権限を集中し、エンターテインメントを中心とした成長戦略の加速を目指す。

　十時氏は２０２３年に社長に就任した。最高執行責任者（ＣＯＯ）と最高財務責任者（ＣＦＯ）を兼務し、吉田氏とのツートップ体制でグループを牽引してきた。十時氏のＣＥＯ就任に合わせ、ＣＯＯは廃止し、ＣＦＯは後任に譲る。十時氏は「ＣＥＯとして、ソニーの更なる進化、成長に挑戦できることは楽しみだ」とコメントした。

　ソニーＧは、ゲームや映画、音楽などエンタメ事業に注力している。関連企業への投資やＭ＆Ａ（企業の買収・合併）も活用し、知的財産（ＩＰ）の獲得を急ぐ。今月には、約５００億円を投じ、出版大手ＫＡＤＯＫＡＷＡの株式を追加取得し、約１０％を保有する筆頭株主となった。

　ソニーＧは意思決定の迅速化を目的に経営体制も見直し、副社長や専務などの役職を廃止した。