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金正恩総書記が核施設視察…トランプ大統領就任を念頭、「力による平和と安全保障こそ我々の闘争方式」

読売新聞 / 2025年1月29日 20時3分

「核兵器研究所」と核物質生産基地を視察する金正恩朝鮮労働党総書記(右から2人目)=朝鮮通信

 【ソウル=小池和樹、ワシントン=淵上隆悠】朝鮮中央通信は29日、北朝鮮の金正恩キムジョンウン朝鮮労働党総書記が核開発を統括する「核兵器研究所」と核物質生産基地を視察したと報じた。20日に就任した米国のトランプ大統領が米朝首脳会談に意欲を示す中、核開発を加速させ「核の盾」を強化する姿勢を示した。

 視察日や施設の場所は明らかにされていないが、北朝鮮メディアが公開した写真にはウラン濃縮施設とみられる施設内を正恩氏が見て回る様子が映っている。

 正恩氏は視察で、今年が核兵器の小型・軽量化などを盛り込んだ2021年発表の「国防力発展5か年計画」の最終年にあたることに触れ、「課題が完璧に遂行されなければならない非常に重要な年だ」と強調した。米国を念頭に「力の優位を占めようとする敵対勢力の挑戦はさらに激しくなっている」との認識も示し、「力による平和と安全保障こそ我々の闘争方式であり選択だ」と述べた。

 正恩氏の核施設視察が公開されたのは、第2次トランプ政権発足後では初めて。韓国の統一研究院の洪珉ホンミン先任研究委員は「技術的進展を示すより政治的メッセージに焦点がある」と分析。洪氏は、北朝鮮が「核兵器の増産態勢や高度化は引き返せない状態だと印象づけようとしている」とみて、米国に対北政策の転換を迫る狙いがあると指摘した。

 北朝鮮による核開発を巡り、トランプ氏は第1次政権当時、正恩氏と計3回会談したが、進展はなかった。米国家安全保障会議(NSC)の報道官は28日、トランプ氏が「1期目と同様に北朝鮮の完全な非核化を追求するだろう」と述べた。

 ただ、トランプ氏は大統領に復帰した20日、正恩氏との直接会談に意欲を示す一方、北朝鮮について「今は核保有国だ」と発言した。ヘグセス国防長官も上院の指名承認公聴会に提出した書面で北朝鮮を「核保有国」と表現した。

 米政府はこれまで北朝鮮を核保有国として認めておらず、トランプ氏らの発言の真意は不明だ。だが、聯合ニュースは、韓国にはトランプ政権が北朝鮮の非核化を諦め、「核軍縮や核(開発)凍結といった『スモールディール』(小さな取引)を進めるのではないかという懸念がある」と報じている。内政の混乱が続く韓国抜きに、米朝交渉が進められる「韓国パッシング」(東亜日報)への警戒感もある。

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