千葉最南端の廃校でキクラゲ生産、校舎は「温度や湿度の保持に適している」…ビタミンDサプリ原料
読売新聞 / 2025年2月2日 22時52分
千葉県館山市最南端の廃校跡地で、ビタミンDサプリメントの原料となるキクラゲの生産施設が稼働を始めた。今月中に約2トンの収穫を見込んでおり、将来的には年間約140トンの生産を目指す。(当間敏雄)
キクラゲはキノコの一種で、ビタミンDを豊富に含んでいることで知られる。ビタミンDは骨の形成や維持、免疫機能の調整、筋肉や神経の働きなど様々や役割を担う。ビタミンDのサプリの多くは羊毛から取れるラノリンという脂質から作られており、食物由来の原料は珍しいという。
生産施設が整備された旧富崎小学校・幼稚園は、児童数の減少などから2012年に休校し、17年に閉校した。
市は地域の活性化につなげようと、民間事業者を対象に跡地利用のアイデアを公募し、ビタミンD製剤の原料となるキクラゲの生産を提案した「ビタミンファーム」(本社・東京都港区)と昨年4月に契約を結んだ。同社は「温暖な気候に恵まれ、校舎という建物構造も温度や湿度を一定に保つために適している」と応募の理由を説明する。
同社では生産に適した室温と湿度を保つため、旧幼稚園の2教室をビニールハウスのように改装。天井に散水装置を設置して、室温15度から25度、湿度85~100%を保てるようにした。昨年12月から7000個の菌床を棚に並べ、育成を始めた。キクラゲは3、4週間で発芽し、5週間ほどで収穫が可能になるという。
2025年度中に全12教室で同様の施設を稼働させる計画で、同社社長の水野聡さん(53)は「食物由来のビタミンDを使ったサプリはほとんど流通しておらず、国内だけでなく世界でも需要が見込める。気候に恵まれているだけでなく、首都圏に近いので物流面でもメリットがある」と語る。
収穫したキクラゲは食用としての販売も検討する。2月12日には、初出荷に先立ち、地元区長や関係者を招いた収穫祭イベントを開催する予定だ。地域の障害者福祉施設とも連携し、施設利用者の受け入れも行う方針で、水野社長は「地元と連携し、新たな商品開発も進めたい」と話している。
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