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北海道に進出しては撤退の本州スーパー勢、「おじさんの聖地」と愛されたヨーカドーも19年の歴史に幕

読売新聞 / 2025年1月30日 10時0分

 「ありがとう、ヨーカドー!」「お疲れ!」

 今月13日午後7時、札幌市東区の「イトーヨーカドーアリオ札幌店」。整列した従業員らへ数百人の常連客から温かい言葉が飛んだ。北海道内最後のヨーカドーは、にぎやかな雰囲気の中、19年間の営業を終えた。

 「ハトのマークは愛着があったんだけれど……」

 近所に住む女性(54)は店内に響く「蛍の光」を聞きながら、ぽつりとつぶやいた。食料品はもちろん、衣料品や雑貨、本などもそろうため、オープン以来、週2回は通った。夫も「下着も靴下もそろう『おじさんの聖地』だった」と懐かしんだ。

 ヨーカドーは1975年に道内第1号の帯広店をオープンし、ピークの2006年には15店を展開。胆振東部地震(18年)直後や新型コロナ禍も一部で営業を続け、道民の暮らしを支えた。ただ、昨年2月、採算が取れない地方店を整理して経営の効率化を進めるため、道内から撤退する方針を発表した。

 道内ではこれまでも、本州勢の進出と撤退が繰り返されてきた。1973年に進出した「ダイエー」は2015年に「イオン北海道」が吸収。昨年は「西友」もイオンへ9店舗を承継して閉店した。一方、道内勢では1961年に札幌市内で「ダイマルスーパー」が開店。各地の有力なスーパーを合併・買収し、食品スーパー10社を束ねる「アークスグループ」に成長した。

 イオンとアークスに加え、宅配サービス「トドック」で知られる「コープさっぽろ」は、道内で売り上げ上位を占める「3強」として盤石の地位を固めている。

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