旧安倍派会計責任者の参考人招致、５１年ぶり多数決で議決…本人は応じない意向

国会議事堂

　衆院予算委員会は３０日午前、自民党派閥の「政治とカネ」の問題を巡り、旧安倍派の会計責任者の参考人招致を立憲民主党、日本維新の会、国民民主党など野党の賛成多数で議決した。自民は反対し、公明党は採決を退席した。

　参考人招致は全会一致で議決するのが慣例で、多数決で招致が決まったのは１９７４年以来、５１年ぶり。ただ、議決に強制力はなく、会計責任者は招致に応じない意向を自民に伝えており、参考人招致が実現するかは不透明だ。公明は採決で賛成することも検討したが、直前になって退席を決めた。

　委員会終了後、立民の安住淳衆院予算委員長は国会内で記者団に対し、「（会計責任者には）議決の重みを十分に自覚し、参考人招致が行えるようご決断願いたい」と述べた。

　衆院予算委は３０日中にも、会計責任者宛てに出席要請文書を送付する。２月１０日をめどに参考人招致を実施したい考えで、同３日までに出欠意向を連絡するよう求める。

　採決後には、衆院予算委で２０２５年度予算案の趣旨説明が行われた。予算案は３１日から実質審議入りし、２月４日までの平日３日間で石破首相と全閣僚が出席する基本的質疑が行われる。