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がん死亡率20年連続で全国ワーストの青森県…「短命県」返上へ塩分減らす「だし活」PR

読売新聞 / 2025年2月4日 9時28分

八木さん(中央)と「ながら運動」を楽しむ参加者(1月11日、青森市で)

 国立がん研究センター(東京都)の統計によると、2023年の青森県内の75歳未満の年齢調整死亡率(年齢構成の異なる各都道府県間で死亡状況を比較するために調整した数値)は、人口10万人あたり86・1人で、20年連続で都道府県別ワーストとなっている。「短命県」の返上に向けて様々な取り組みが行われており、識者は「個人と行政が両輪となって改善しないといけない」と指摘する。

 「3、2、1、OK!」。1月11日、青森市宮田のマエダアリーナには青森県内から集まった親子連れら約50人が、講師のかけ声に合わせながら笑顔で体を動かしていた。

 イベントは青森県立保健大が企画した「運動の大切さ&ながら運動教室」。楽しみながら運動することで、健康意識を高めてもらうことが狙いだ。「ながら運動」は、スポーツ用品大手のミズノが、日常生活の中で取り入れられるエクササイズとして手がけたもの。今回はお笑いコンビ「サバンナ」の八木真澄さんが講師を務め、胸筋の鍛え方やスクワットなどを気軽にできる形で、ギャグを交えながら紹介した。

 長女(5)と参加した平川市の教員(33)は「子どもも楽しんでいてよかった。なかなか運動の機会がないが、家でもできそうなので試したい」と話していた。同大健康科学部栄養学科の熊谷貴子助教は「日常の運動量を上げていくことが大事で、習ったことを継続してほしい」と期待している。

 こうしたイベントを含め、青森県内では生活習慣病を予防し、短命県からの脱却をはかるべく、様々な活動や取り組みが行われている。

 県は普段の食事から健康意識を高めてもらおうと、2014年度から塩分を減らす代わりにだしの活用を促す「だし活」をPR。ウォーキングイベントなども企画している。

 国立がん研究センターの「がん統計」によると、23年の青森県内の75歳未満の年齢調整死亡率(10万人あたり86・1人)は、全国平均(65・7人)より20ポイント以上高い。男女別でも、男性は105・7人(全国平均79・1人)で20年連続のワースト。女性は69・6人(同53・3人)で12年連続のワーストだった。

 青森県の「第4期がん対策推進計画」(24年3月策定)では、22年の全国平均67・4人を目標に掲げているが、「がんは特定の原因があるわけではなく、特効薬はない。地道に対策していくしかない」と県がん・生活習慣病対策課の担当者は語る。

 公衆衛生に詳しい弘前大の中路重之特別顧問は「行政は運動機会の創出や充実した医療の提供などを、個人は運動や検診の習慣化などにより、社会の『総合力』を高めていく必要がある」と訴えている。

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