ワシントンの旅客機事故で消防当局「生存者いない」…28人の死亡確認
読売新聞 / 2025年1月30日 23時53分
【ワシントン=淵上隆悠】米国の首都ワシントン近郊にあるレーガン・ナショナル空港付近で29日午後9時(日本時間30日午前11時)頃、アメリカン航空の旅客機と米軍ヘリが衝突し、両機ともポトマック川に墜落した。消防当局は28人の死亡を確認し、生存者はいないとの見解を示した。NBCニュースは30人以上の遺体が発見されたと報じた。
アメリカン航空機はカンザス州ウィチタ発ワシントン行きの5342便(ボンバルディアCRJ700型機)で、乗客60人と乗員4人が搭乗していた。米軍ヘリはUH60ブラックホークで、3人が搭乗していた。消防当局の責任者は30日午前、「現時点で、この事故による生存者はいないと思う」と語った。
米国フィギュアスケート協会は、ウィチタで開かれた大会に参加した選手やコーチらが搭乗していたと明らかにした。在米日本大使館は、旅客機に日本人が搭乗していたかどうかの確認を急いでいる。
連邦航空局(FAA)によると、旅客機はアメリカン航空グループ会社のPSA航空が運航していた。着陸のためにポトマック川沿いを北上し、空港滑走路に接近していたところで南下してきたヘリと衝突した。
米メディアが流した事故当時の映像では、下降する旅客機とみられる光にヘリとみられる小さな光が近づき、重なった瞬間に大きくオレンジ色に発光した。国防総省と陸軍によると、ヘリはバージニア州の軍施設フォート・ベルボアに所属し、訓練飛行中だった。
ダフィー運輸長官は30日の記者会見で、旅客機とヘリがいずれも標準的な飛行パターンだったと述べた。一方、アメリカン航空最高経営責任者(CEO)は「なぜ軍のヘリが旅客機の飛行ルートに入ってきたのかわからない」と話した。
トランプ大統領は30日未明、自身のSNSで「なぜヘリは上昇も下降も旋回もしなかったのか。管制塔はどうしてヘリにすべきことを伝えなかったのか。この悪い状況は防げたはずだ」と述べた。
空港はワシントンからポトマック川を渡ったバージニア州側にあり、ホワイトハウスから南に約6キロ・メートル離れている。
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