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八潮の道路陥没「漏水止めることが急務」…もろくなった土砂で深さ15mの穴の8mが埋まる

読売新聞 / 2025年1月31日 9時0分

 埼玉県八潮市の「中央一丁目」交差点で起きた県道陥没事故は30日も、交差点に開いた穴の拡大が続いた。同日未明には既に開いていた二つの穴の間の路面が崩落し、一つの巨大な穴となった。県などは、被害拡大の原因となっている、穴に流れ込む水対策を急いでいる。

 草加八潮消防局によると、30日正午現在で穴は長円形に近い形で最大幅は約40メートル。深さは約15メートルで、このうち約8メートルが土砂で埋まっているという。断続的に流れ込む水で、穴の中の土砂はもろくなっている。

 穴の中に残されたトラックの男性運転手の救助作業は、難航している。県は30日夜の危機対策会議で、穴に流れ込んでいるのは雨水を流す「雨水幹線」から漏れ出している水と説明した。

 県によると、道路が陥没した際に雨水幹線が宙づり状態となり、破損した部分から水が漏れ続けたという。県は31日朝までに雨水幹線からの漏水を止める方針を示した。県担当者は「さらなる崩落を防ぐためにも、まずここの漏水を止めることが急務」としている。

 また県は下水道管の上流域に当たる春日部市の「春日部中継ポンプ場」で、下水を河川に流す「緊急放流」を開始。29日午後11時20分頃から、下水を固形塩素で消毒し、近くの新方川への放流を始めた。

 このポンプ場では通常、1日当たり10万立方メートルの下水を八潮市などの下流域に流している。今回の緊急放流によって、下流域への流量を削減することができるという。

 事故現場周辺の住民に対して、八潮市は自主的な避難を呼びかけている。避難所として開設された市立八潮中学校の体育館には30日夕方、約20人が身を寄せた。夫らと一緒に避難してきたという女性(80)は「ここでは何もできない。ぼーっと座って過ごしている。いつまでこの不安が続くのか」と表情を曇らせた。

草加市や足立区で入浴支援の動き

 事故現場の下水道管に流れ込む下水を減らそうと、県は引き続き、流域12市町の約120万人に対して、洗濯や風呂の使用をできる限り控えるよう呼びかけている。こうした状況を受け、入浴を支援する動きが広がっている。

 草加市のスーパー銭湯「竜泉寺の湯 草加谷塚店」は29日と30日、現場周辺の住民を対象に入館料を無料とした。同店の担当者は「避難生活で家に帰れず、入浴できない人もいると思い、実施を決めた」と話す。相当数の問い合わせがあったという。

 東京都足立区も30日、八潮市などの住民に当面の間、区浴場組合に加盟する公衆浴場の入浴料を無料とすると発表した。身分証を提示すれば無料になる。

 同区の大平湯を家族で訪れた八潮市の会社員(29)は、29日は風呂おけに張った少量の湯で家族4人の体を洗ったといい、「こうしたサービスはありがたい」と感謝していた。

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