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「棋譜」再現動画の即時配信は「違法」、ユーチューバー敗訴…控訴審判決「自由競争の範囲逸脱」

読売新聞 / 2025年1月31日 6時53分

大阪高裁

 将棋の指し手を記録する「棋譜」を再現した動画を即時配信していた男性ユーチューバーが、動画の削除を申請されて損害を負ったとして、対局中継などを有料配信する事業者「囲碁将棋チャンネル」(東京)に338万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。森崎英二裁判長は、請求の一部を認めた1審・大阪地裁判決を取り消し、配信は違法だとして男性の訴えを棄却した。

 判決によると、男性は2020年9月~23年1月、同社が配信した将棋の棋戦の棋譜を再現した動画を、ユーチューブなどでライブ配信。同社が配信元に削除申請し、男性の配信が一時削除された。

 昨年1月の1審判決は、棋譜は公表された客観的な事実で自由利用できると判断し、同社に118万円の支払いを命じていた。

 これに対し、森崎裁判長は、棋譜は棋戦の主催者である日本将棋連盟と新聞社などが管理し、許諾を受けた囲碁将棋チャンネルなどが有料配信するビジネスモデルが成立していると言及。ユーチューバーによる動画配信が繰り返されれば、「現状の規模で棋戦を存続させることを危うくしかねない」と指摘した。その上で、男性の配信は自由競争の範囲を逸脱し、同社の営業上の利益を侵害しているとして、不法行為にあたると結論付けた。

 同社は「判決文を入手しておらず、コメントを差し控えたい」としている。

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