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岸田前首相の演説会場に爆発物、木村隆二被告は一貫して黙秘…4日の初公判の争点は「殺意の有無」

読売新聞 / 2025年2月1日 9時0分

 和歌山市で2023年4月、岸田首相(当時)の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、殺人未遂、爆発物取締罰則違反など五つの罪に問われた木村隆二被告(25)の裁判員裁判の初公判が4日、和歌山地裁で開かれる。主な争点は殺意の有無だ。木村被告は逮捕後、一貫して黙秘しており、公判で何を語るのかが注目される。

 起訴状では、木村被告は22年11月以降、兵庫県川西市の自宅などで、黒色火薬を詰めた爆発物を製造。23年4月15日、和歌山市の漁港で、衆院補選の応援演説の会場にいた岸田氏らの近くに爆発物を投げて爆発させ、選挙の自由を妨害し、岸田氏らを殺害しようとしたなどとしている。岸田氏にけがはなかったが、聴衆と警護の警察官の計2人が約1~2週間のけがを負った。

パイプ爆弾

 複数の関係者によると、1月20日に開かれた公判前整理手続きなどで、弁護側は殺意を否認する方針を示した。

 殺意があったかどうかの判断にあたり、焦点となるのが爆発物の威力だ。

 火薬を詰め込んだ鋼管の両端を蓋で密閉し、導火線を接続した構造の「パイプ爆弾」で、木村被告が自作したとされる。

 検察側は5日の第2回公判で、爆発物を鑑定した物理学の専門家ら2人と医学の専門家1人の証人尋問を行い、爆発物に人を死亡させる威力があったことを立証し、「殺意があった」と主張するとみられる。

動機は

 木村被告は事件前、参院選に30歳以上しか立候補できない公職選挙法の規定は違憲だとして22年6月に国家賠償請求訴訟を起こし、同11月、神戸地裁判決で棄却された。被告は訴訟の書面で、岸田内閣(当時)が安倍元首相の国葬を実施したことも批判していた。

 ただ、木村被告は捜査段階で黙秘した。6日の第3回公判で被告人質問が予定されている。

 10日の第4回公判で論告があり、検察側の求刑も注目される。

 審理の対象となる五つの罪のうち爆発物取締罰則違反(使用)の法定刑は、死刑か無期懲役、または7年以上の懲役・禁錮と重い。爆発物によって多数の死傷者が出る恐れがあるためだ。

 裁判員裁判は10日に結審し、19日に判決が言い渡される見通し。

取り調べで「かわいそうな人」…検事が不適正な発言

 事件を巡っては、最高検が、木村被告に対する取り調べで検事に不適正な発言があったと認定した。

 弁護人によると、検事は2023年5月の取り調べで、木村被告が引きこもりだったことに触れ、「かわいそうな人」「木村さんの替えはきく」といった趣旨の発言をした。複数の関係者によると、最高検は、検事の発言に被告の人格を否定する内容が含まれていると判断。和歌山地検が検事に指導した。

 被告はこうした取り調べを受けても黙秘を続けたため、公判への影響はないとみられる。弁護側は今後、国家賠償を求めて提訴することなどを検討している。

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