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かつては青森県が北限の「シラスウナギ」、北海道で増加…黒潮の北上が影響か

読売新聞 / 2025年2月2日 17時0分

 ニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」が近年、北海道の河川で増加したと推定されると、海洋研究開発機構や東京大などの研究チームが発表した。黒潮が北上するなどした影響とみられ、専門家はウナギの資源管理のため、北海道などでの継続的な調査が必要だと指摘している。

 ニホンウナギは太平洋のマリアナ海溝付近で産卵・孵化ふかし、黒潮などの海流に乗って日本沿岸にたどり着き、遡上そじょうした河川で育つことが知られている。シラスウナギが遡上する河川の北限はかつては青森県とされていたが、チームは2020年に北海道・胆振地方の河川で遡上を確認していた。

 同機構は海水温や塩分濃度などの観測データを基に、日本周辺の海流のモデルを構築している。近年、黒潮はより北方に到達する一方、寒流の親潮は弱まっている。

 チームはこの海流モデルを使って、シラスウナギが到達する地域を分析した。1994~2003年と14~23年で比較したところ、北海道沿岸部では到達確率が約20倍に上昇していた。津軽暖流が強まっている影響で、津軽海峡の沿岸部ではシラスウナギがたどり着きにくくなったとする結果も出た。

 チームの森田健太郎・東大教授(魚類生態学)は「シラスウナギは重要な漁業資源。北海道への到達確率が増えることは、今後どこでどれだけ捕るかといった資源管理のあり方に波及する可能性がある」と話している。

 水産研究・教育機構の横内一樹・漁業生態系グループ長(水圏生産科学)の話「実際にシラスウナギが捕獲され、そのことが海流モデルで裏付けられているところが興味深い。資源管理のために、流れ着いたウナギが順調に成熟するかなどを調べ続ける必要がある」

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