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ページ切り取りやぬれた本、図書館であえて展示…増加しているのは付箋を貼ったままの返却

読売新聞 / 2025年2月2日 12時35分

本を扱うマナーを紹介したパネル

 表紙がぼろぼろの雑誌、ページが切り取られた小説、破られた絵本――。鳥取県米子市立図書館(中町)が、利用者の不適切な取り扱いで傷んだ所蔵本を同図書館で展示し、本や図書館利用のマナーアップを呼びかけている。(立山光一郎)

 同図書館の蔵書は約35万冊で、年間60万冊以上を貸し出している。近年、傷んだ状態で返却されることが増えているという。

 2023年度に廃棄した本は約400冊。経年劣化もあるが、利用者が傷めて貸し出せなくなったものも多い。そのため、実情を知ってもらい、利用マナーを向上させようと展示を企画した。

 会場ではイラスト付きのパネルで、「(本に)書き込まない」「新聞などは何紙も独占しない」「本は元の場所か『返却トラック』に返す」など、様々なマナーを紹介している。

 パネルのほか、破れたページをセロハンテープで補修した絵本▽クイズ欄を破り取った新聞▽挿絵のページを切り取った小説▽水にぬれてごわごわの本――など、館内で見つかった本が並ぶ。

 悪質なケースでは、管理用のICタグが本から剥がされた状態で見つかったことがあった。無断で持ち出すためとみられる。

 増えてきて悩ましいのが、付箋を貼ったままの返却だ。マスキングテープで代用する人もおり、粘着力があるため剥がす際に本を傷つける恐れがあるという。

 同図書館では、付箋代わりとしてしおりの利用を勧めている。開いた本を伏せて置いたり、本の「背」の上辺に指をかけて棚から取ったりする行為も、傷める原因になる。

 主幹司書の清水弥子さんは「傷ついた状態で返却される本を見るのはつらい。展示を通して幅広い人に実態を知ってもらい、図書館を誰もが気持ち良く、安心して利用できる場所にしたい」と話す。展示は27日まで。

弁償してもらう可能性も

 米子市立図書館では、本を破ったり汚したりし、貸し出しができないほどの状態であれば弁償してもらうことがある。一方、小さな傷なら専用の補修道具で直している。清水さんは「早く手当てすれば直せることもある。修復できるものなら弁償は求めない」という。セロハンテープを使った“我流”の修理は、かえって本を傷めることになる。

 汚損したことを返却時に申告しないと、図書館側も気づくのが遅れ、修復が難しくなる可能性がある。

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