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ラファ検問所が8か月ぶりに再開…イスラエルは負傷者の付き添い1人しか認めず、家族は離れ離れに

読売新聞 / 2025年2月2日 18時29分

1日、ガザ南部ハンユニスで不安を募らせるジャザラさん(中央)。エジプトにはイブラヒム君(右)は連れて行けるが、ラムさん(左)は連れていけない=読売通信員撮影

 【エルサレム=福島利之】パレスチナ自治区ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所が8か月ぶりに再開され、1日からガザの負傷者や病人50人のエジプトへの搬送が始まった。子どもが多いが、イスラエル当局は付き添いを1人しか認めていない。家族は離れ離れになり、「ガザに戻れるのか」と不安を募らせている。

 「ガザの外で治療を受けて視力を取り戻してくれたら」。爆弾の破片で両目を失明した2歳の娘エイリーンちゃんがガザから出られることになり、父親のアハマド・ハリールさん(27)は本紙通信員にこう望みを語った。

 ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプで暮らしていたハリールさんは、妻とエイリーンちゃんとガザ市の競技場に避難していた2023年12月14日、爆弾を受けた。エイリーンちゃんは失明し、自身はあごと後頭部の負傷が完治していない。だが、付き添いが認められたのは妻だけ。ハリールさんは「いつ家族が再会できるのか」と気をもむ。

 ラファ検問所は昨年5月にイスラエル軍が制圧して閉鎖して以来、機能が停止していた。検問所のガザ側の監視は今後、イスラム主義組織ハマスではなく、欧州連合(EU)などが派遣する要員が担う。

 南部ハンユニスのイフラス・ジャザラさん(30)は、息子のイブラヒム君(9)に目の角膜移植が必要となり、ガザの外での治療が許可された。だが、娘のラムさん(11)は連れていけない。夫は爆弾で負傷しており、娘の面倒を見られないという。ジャザラさんは「娘をガザに置いていって大丈夫なのか。ガザから一度出たら、戻って来られるのか」と不安を募らせる。

 負傷者らは、南部ハンユニスのナセル病院からバスや救急車に乗せられ、ラファ検問所に向かった。ガザ保健当局のムハンマド・ザクート医師によると、ガザの外で治療が必要な負傷者らは1万8000人で、今回は申請した400人のうち緊急性の高い50人が認められたという。ザクート医師は「多くの患者はガザの外で治療を受ける必要がある」と強調した。

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