ディープシーク開発陣、習近平政権で英雄視の動き…創業者の故郷に「誇りと希望」横断幕
読売新聞 / 2025年2月3日 9時10分
中国の新興企業ディープシークが開発した生成AI(人工知能)について、
強国化
共産党機関紙・人民日報は1月末、「春節(旧正月)前夜、国産のAIモデルが国内外で一気に人気を集めた」との記事を掲載した。中国が米オープンAIの模倣から追い越す段階に進んだとする専門家の見方も報じた。国営新華社通信もこの数日、ディープシーク関連の記事を英語を含めて30本近く配信した。
梁氏は1月20日、経済や教育などの各界の専門家とともに
共産党政権は昨年の政府活動報告に産業育成策「AIプラス」を盛り込んだ。中国は、オープンAIのチャットGPTなどで先行する米国勢に「1~2年の遅れ」とされる。安全保障や経済成長を左右するAIでの強国化を急ぐ中、ディープシークは国の威信を体現した成功モデルとの見方もできる。
「梁氏は誇り」
創業者の梁氏や社員の顔ぶれにも注目が集まる。
梁氏は、AI研究で中国トップレベルとされる浙江省杭州の浙江大大学院を修了した。習主席は2002~07年に浙江省トップの共産党省委員会書記を務め、在任中、浙江大学を計18回も訪問した。当時、優秀な人材の育成や技術革新の必要性を指示していた。
同大を29日に高校1年の息子と訪れた女性(40)は取材に対し、「梁さんは中国の誇りです。息子もここで学んでほしい」と語った。
中国メディアは、梁氏が春節連休の1月末に広東省に帰省した様子も報じた。集落には「故郷の誇りと希望」と書かれた横断幕が掲げられ、「子どもの頃から成績優秀で、数学的な思考力が高かった」などと恩師の声を伝えた。
国民の共感
ディープシークの技術系社員は約140人で、20~30歳代が中心だ。その一人、1995年生まれの女性、羅福莉氏は北京大修士課程に在学中の5年前、AIの国際会議で8本の論文に関与し、「天才少女」と話題を呼んだ。中国IT大手の小米(シャオミ)の雷軍・最高経営責任者(CEO)は昨年、年俸数千万元(数億円)で引き抜こうとした。
梁氏や羅氏らが地方や農村出身で、米国などへの留学経験のない点も国民の共感を呼んでいるようだ。
ただ、ディープシークについては、米オープンAIの技術を不正利用したとの指摘や個人情報の取り扱いへの懸念が欧米から出ている。共産党政権が宣伝色を強めれば、海外を中心に利用者の急増にブレーキがかかる可能性もある。
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