「不屈の男・久光」の死を無駄にしない…社会貢献活動続け危機乗り越えたFリーグチーム
読売新聞 / 2025年2月11日 15時34分
神奈川県西部地区をホームタウンとする「湘南ベルマーレフットサルクラブ」は、社会課題の解決とビジネスの成長の両立を目指す「ゼブラ企業」としても活動している。福祉や防災、教育などスポーツ分野を超えた異色の取り組みの原動力となったのは、2020年にがんで亡くなったチーム所属選手の存在だった。(小沢克也)
同クラブは、フットサルFリーグ1部(12チーム)に所属し、小田原市の小田原アリーナをホーム会場にアウェーを含めて年間22試合を開催。トップチーム選手19人は仕事と両立しながら競技生活を送っている。その一方で、22年にはゴミの分別や一人親家庭支援など160の社会課題を26年までに解決するプロジェクトを掲げ、これまでに34を実施に移している。
きっかけを与えてくれたのは、08年からクラブに所属していた久光重貴さんだった。久光さんはフットサル日本代表、そしてチームのキャプテンとして活躍したが、09年に骨髄炎を発症。復帰を果たすも13年には肺がんが見つかった。根治は望めなかったが、闘病生活を送りながらピッチに立ち続けた。
通院する病院では小児がんの子どもたちを支援し、フットサルスクールの開催、講演活動、試合観戦への招待などに尽力。その行動で多くのファンを勇気づけたが、20年12月、39歳で亡くなった。
コロナ禍だったこの頃、観客動員数は大きく落ち込み、クラブは危機的状況にあった。今後チームをどうしていけばいいのか。スタッフたちは何度も話し合った。その中で、それぞれの心から離れなかったのが「不屈の男――久光」の存在だった。「ヒサの死を無駄にしたくない」。チームが生き残っていくため、ヒサのように社会貢献活動に挑戦していくことを決めた。
22年5月以降、「久光モデル」として、企業や団体などと社会課題の解決や地域社会の振興に寄与するプロジェクトを発足。例えば、地元スーパーの小田原百貨店で、所属選手が生ゴミを
中小企業庁は、過疎化が進む地方の課題解決に役立つとして、同クラブのような「ゼブラ企業」を支援しており、今年度、スポーツクラブとして唯一の地域実証事業に採択した。
同クラブの佐藤伸也社長(47)は「チームの勝利を目指すのが一番だが、そのためには我々を支えてくれる地域の発展は不可欠で、必ず自分たちにも返ってくる」と語る。クラブのGM(ゼネラルマネジャー)時代から知る久光さんについて、「自分よりも他人を大切にし、多くの人を巻き込んで活動していた。その姿は私たちの誇り」と話している。
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