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消火栓ホース格納箱から器具盗難相次ぐ、補填費用は380万円以上…活動優先で施錠せず

読売新聞 / 2025年2月4日 13時22分

筒先が盗まれた格納箱(佐賀県神埼市で)

 消火用機材を格納する「消火栓ホース格納箱」から金属製の器具が盗まれる被害が、佐賀県内で相次いでいる。読売新聞が県内20市町に調査したところ、被害は3日現在で、神埼市、武雄市、みやき町、上峰町、吉野ヶ里町の2市3町にのぼることがわかった。新たに器具を買い直すなど被害の補填ほてんに必要な金額は、380万円以上になるとみられる。(田中大稀、小林夏奈美)

 格納箱は火災が起きた際に、消防隊員らが到着するまでに地域住民などが初期消火を行うために設置されている。中には、消火活動に必要なホースや金属製の器具などが格納されているが、迅速に活動を行うため、施錠はされていないという。

 主に盗まれている器具は、消火栓の取水口とホースをつなぐ「スタンドパイプ」と、放水時にホースの先端に取り付けるノズルの「筒先」。これらの器具は基本的に、一つの格納箱に一つずつ収納されている。

 3日現在、スタンドパイプの盗難数は、みやき町で64本、吉野ヶ里町で32本、上峰町で26本。また筒先の盗難数は、神埼市で61本、武雄市で5本、吉野ヶ里町で4本、みやき町で1本だった。そのほか、みやき町と上峰町では、消火栓の開閉に使う金属製の器具などの被害も確認されたという。

 一連の盗難で各自治体が損失を補填するために必要な金額は、神埼市で約100万円、みやき町で約200万円、上峰町で約80万円、武雄市で約6万円。スタンドパイプと筒先は、それぞれ真鍮しんちゅう製とアルミ製のものがあるが、盗まれたものは価格が高い真鍮製が多かったという。

 こうした被害を受け、各自治体は、格納箱を管理する消防団や地区の自治会に対し、定期点検の回数を増やすなど盗難対策の強化を呼びかけている。

 神埼市では先月17日、定期の区長会で、市と各地区長が被害状況を確認し、今後の被害を防ぐための方針を打ち出した。各地区の消防団員をはじめ、格納箱付近に住む住民にも巡回への協力を求めたほか、盗難を避けるため、筒先などを一時的に施錠可能な別の場所に移す案などが協議されたという。

 神埼市消防団の第1分団で副団長を務める吉原俊樹さん(62)は、「被害に遭った筒先は、放水時に必ず必要な器具で、地域の安全に関わる問題だ」とした上で、「新たな被害を防ぐため、点検の頻度を上げ、必ず格納箱の中を確かめるようにしている」と話す。また、同市防災危機管理課の担当者は「警察や地域の方々と連携しながら防犯の強化に努める」とした。

 神埼市の各地区と武雄市、みやき町、上峰町は一連の盗難について警察に被害届を提出している。

 県危機管理防災課は、被害報告を受け、昨年12月18日、各市町に資機材の管理体制強化を呼びかける文書を送っている。

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