夜職女子をカモにするセミナーブームの闇 ナイトワーカーに群がる「搾取ビジネス」蔓延の実態
J-CASTニュース / 2025年2月4日 17時0分
![夜職女子をカモにするセミナーブームの闇 ナイトワーカーに群がる「搾取ビジネス」蔓延の実態](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/jcast/20250204jcast20252501126_0-small.jpg)
「搾取ビジネス」の実態とは
志が高い客を利用して利益を出すのが搾取ビジネス。人の心に漬け込み、手助けをするふりがうまく、ターゲットから金銭を搾り取る悪質な人間は、どの業界にも必ず存在するだろう。
悲しいことに、夜の世界にも搾取ビジネスが蔓延してしまった。一時期、夜の業界ではセミナーブームが巻き起こり、「指名を取るテクニック講座」「SNS運用のコツ」「売れっ子が持つべきマインド」等、ありとあらゆる授業が各所で展開された。
現在も現役、あるいは業界の卒業生がセミナーを行い、現在でも多数の生徒を抱える講師も多い。
なぜ起きる?マルチ商法の夜職バージョン
本当にためになる授業ならよいが、一部の界隈では高額を支払わせ、金額と中身が見合わないという被害報告が多発。なぜか。悪徳な商売をする講師の過半数以上が業界卒業後の収入に困り、セミナービジネスに手を出す流れがあるからだ。彼らは利益だけが目的のため、同業者を食い物にすることに対する抵抗がない。
生徒自身が騙された事実に気づけばまだマシな方で、なかにはすっかり「信者」と化し、搾取され続けるのもよくあるケース。信者は講師を過信し、仲間を作るべく知人友人を勧誘しがちだ。
結果的に悪徳業者を助長し、マルチ商法の夜職バージョンが見事に完成してしまう。
同業者同士で喰い合うこともあれば、昼職の人間がナイトワーカーをターゲットに搾取ビジネスを始める例も少なくはない。夜職=「お金はあるけど頭が弱い存在」と少々キャストを見下しながら、投資や会社設立の話を持ちかけるのは「繁華街あるある」の一つ。もちろんお金など返って来ず、ほとんどが「トンズラ」されるのがオチなのだが。
筆者のもとにもよくわからないビジネスの誘いが
実は、筆者である私自身も、実は搾取ビジネスの被害に遭う寸前までいった1人だ。
「未遂」で終わったのは不幸中の幸いだが、ここ数年で多数の話を持ちかけられた。数が多すぎて具体的な数字は覚えていないのだが、ここ数年でも軽く5件は超えているし、今でも怪しげな誘いのDMが送られてくる日もある。元セクシー女優を名乗っていると、よくわからないビジネスの誘いは多いのだ。
どういうものかというと、半分くらいが「あなたが社長になって、会社をやろう」みたいな内容ばかり。ようするに、雇われ社長なので好き勝手できないが、何かが起きた際の盾に使われる可能性が高い。妙な怪しさを覚えたため、途中で断りを入れたのをよく覚えている。
ほかにも「業界人のパーティーがあるから来てほしい。いろいろな人を紹介したいから」という誘いもよくあった。このケースは「来て」と言う割に、しっかりと会費を徴収するのだ。
よく調べると自分と似たようなタイプに多数声を掛け、参加人数を集める=利益を出すのが狙いだったらしい。実際に足を運んでも誰を紹介されるのかがわからないため、こちらも一種の「搾取」に当てはまるだろう。
負の食物連鎖に巻き込まれないために
騙されてお金を失う人、希望を持ってビジネスの誘いを受けても全くセカンドキャリアにつながらなかった人。そして、講師の信者に成り下がり、搾取ビジネスグループの一員となる人......。
夜の業界内では負の食物連鎖も発生し、同業者同士で潰し合うケースも増えているため、このままでは未来がない。身近で食料を調達することが枯渇へとつながる現実を、1人ひとりが理解しなければならないだろう。
搾取ビジネスの根絶は、正直なところかなり難しい。いつの時代も悪質な考えを持つ人間は消えないのだから、キャスト側は自衛をするほかない。
誰かの手を借りて仕事を充実させたり、セカンドキャリアを紡ぐのも大切だが、未来を切り開くのは自分の手だけである。ナイトワーカーという立場上、やはり「弱者」なんて扱いをされてしまうからこそ甘い話には乗ってはならないのだ。
【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。
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