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米ファンドが辞任要求のフジ・日枝久相談役とは何者なのか 識者「独裁はダメだとした人が独裁者に」

J-CASTニュース / 2025年2月4日 20時6分

米ファンドが辞任要求のフジ・日枝久相談役とは何者なのか 識者「独裁はダメだとした人が独裁者に」

日枝久氏(写真:AP/アフロ)

タレント中居正広さん(52)の女性トラブルで社員関与疑惑が報じられたフジテレビを巡り、長年経営を担ってきた日枝久取締役相談役(87)に対し、株主の米投資ファンドからも辞任要求が出て、波紋が広がっている。

日枝氏は、40年余も同局の取締役を続けており、同ファンドは「独裁者」だと断じた。日枝氏の進退については見通しがはっきりしないが、その存在に改めて注目が集まっている。

「外圧でしか危機管理が出来ないのか」

「日枝久氏にレッドカードを出した」「外圧でしか危機管理が出来ないのか」

米ダルトン・インベストメンツが2025年2月3日、今回の問題で3度目の書簡をフジテレビに送ったと報じられると、ネット上では、同局の対応に疑問や批判が続出した。

書簡では、日枝氏は、フジサンケイグループ代表でもありながら、1月27日の会見に出席しなかったと批判し、CMを差し替えたスポンサーが戻り、視聴者の信頼を回復するには、日枝氏が取締役を辞任することだと指摘した。日枝氏が取締役会を支配し、ガバナンスが機能していないともして、「なぜたった1人の独裁者がこの巨大放送グループを40年近くも支配することが許されてきたのか」と疑問を投げかけた。

報道によると、フジテレビの労働組合は、日枝氏の会見出席を同局に求めたが、実現しなかった。日枝氏は、入社当時、労組結成に動いて幹部にもなっている。今回の問題では、労組が取締役の刷新も求めており、自ら立ち上げた労組から進退判断を迫られた形だ。

日枝氏は、1961年に早大教育学部を出て、フジに入社した。創業者一族の故・鹿内春雄氏に抜擢されて、80年に編成局長になり、「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチフレーズにフジの黄金時代に関わった。「オレたちひょうきん族」「笑っていいとも!」がヒットし、フジは、82年から12年連続で視聴率三冠王を達成している。83年に取締役、春雄氏急死後の88年に社長になり、92年には創業家の宏明氏が会社を追われる「クーデター」に関与したともされる。05年にライブドアによるニッポン放送買収も阻止し、17年に会長職を退いてからは、現在まで取締役相談役などを続けている。

「社長を外部から迎える『サントリー方式』に」

フジテレビで日枝氏の支配が強まった背景について、テレビ東京で長くプロデューサーを務めた経験がある桜美林大学芸術文化学群の田淵俊彦教授(メディア論)は2月4日、J-CASTニュースの取材に3つの要因を指摘した。

「1つは、鹿内一族の独裁政権の下で、視聴率三冠王を取り続ける黄金期を作ったことです。また、春雄氏が亡くなって社長を継ぐと、独裁はよくないとクーデターを起こした。さらに、ライブドアによる買収を阻止したことが社内で評価され、ターニングポイントになりました。皮肉なことに、独裁はダメだとした人が独裁者になったとも言えるわけで、歴史は繰り返されるというのを感じますね」

一方、日枝氏が40年余も取締役に君臨することでマイナス面も大きくなったとする。

「自らが気に入った人しか幹部にせず、社内の隅々まで支配が行き渡って、その影響を一掃するのが非常に難しくなりました。日枝氏が取締役を辞めても、同じことが繰り返されない保証はありません。日枝氏に重用された清水賢治新社長も含めて、経営陣は皆辞めないとどうしようもない感じもします」

田淵教授は、ダルトンが書簡で社外取締役を取締役会の過半数とすべきと求めたことは、重要だと指摘する。

「投資ファンドの後ろには、投資家がいて、日枝氏の影響が続くことを許してくれません。ドラスティックな見方ですが、まっとうな指摘でしょう。私は、社長を外部から迎える『サントリー方式』にした方がいいのではないかと思っています。この際は、経営陣を刷新した方が『フジテレビは生まれ変わったよ』ということをアピールできるのではないでしょうか」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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