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「日本食」人気高まり、農林水産物・食品の輸出額3・7%増…米欧・東南アジア向け伸びる

読売新聞 / 2025年2月5日 0時20分

 農林水産省が4日発表した2024年の農林水産物・食品の輸出額は、前年比3・7%増の1兆5073億円だった。日本産水産物の輸入を規制している中国向けが大幅に減る一方、日本食人気の高まりで米欧や東南アジア向けが伸びた。12年連続で過去最高を更新したものの、25年に2兆円、30年に5兆円とする政府目標には大きな開きがある。

 国・地域別にみると、23年にトップだった中国は29・1%減の1681億円で4位に下がった。水産物が89・9%減の61億円に落ち込んだ影響が大きい。10都県の水産物の輸入を停止している香港は、23年に続いて2位だったが6・6%減の2210億円にとどまった。

 一方、米国は17・8%増の2429億円と好調で、20年ぶりに首位に返り咲いた。官民で販路拡大を進めたホタテが増加したほか、根強い人気を誇る牛肉、日本酒も伸びた。台湾は11・2%増の1703億円で3位に入り、8年ぶりに中国を上回った。春節(旧正月)向けの贈答用リンゴの引き合いが強かった。

 韓国やベトナム、タイ、欧州連合(EU)向けはそれぞれ約2割増加。中国と香港を除く上位国・地域は軒並み過去最高を更新した。

 品目別では、カレーのルーやマヨネーズなど「ソース混合調味料」が15・9%増の629億円で、増加額が最も多かった。米国や韓国で日本のカレーが人気を集めている。欧米での健康志向の高まりを背景に、緑茶は24・6%増の363億円と伸びた。一方、中国の景気低迷を背景にウイスキーや真珠の輸出が減った。

 政府は輸出拡大の余地が大きい農林水産物29品目を「輸出重点品目」としている。24年は果樹や加工食品を中心に過去最高となった品目が目立ったが、25年の目標を超えたのは鶏卵、コメ、リンゴ、かんしょ(サツマイモ)、緑茶、ホタテ、真珠の7品目にとどまる。

 自民党の森山幹事長や江藤農相は1月に相次いで中国・北京を訪れ、中国による日本産水産物の輸入規制の撤廃や、中国向け牛肉の輸出再開などを中国政府に求めた。江藤農相は2月4日の閣議後の記者会見で「新しいマーケットの開拓や、国に合わせた産地作りを進めていけば、2兆円の目標達成は決して不可能ではない」と述べた。ただ、25年の1年間で輸出額目標との5000億円の差を埋めるのは容易ではない。中国への働きかけを進めつつ、新たな販路開拓を急ぐ方策が求められる。

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