画家と同じ姓・名でお得に入館、箱根の美術館が割引キャンペーン…同姓同名なら無料だがまだ現れず

展示されている速水御舟の「木蓮（春園麗華）」（岡田美術館提供）

　速水さん、田中さん、いらっしゃい――。神奈川県箱根町小涌谷の岡田美術館は、開催中の「珠玉の日本画」展で、作品展示している日本画家、速水御舟（ぎょしゅう）や田中一村と同じ名字や名前の人に、入館料を割り引くキャンペーンを行っている。同姓同名なら大人料金２８００円が無料になるが、開催から２か月近くたっても、無料の入館者はまだ現れていない。

　キャンペーンでは、「速水」「田中」の名字だけ一致の人は１０００円引き、「御舟」「一村」の名前なら半額。

　同美術館は２０２０年１０月～２１年３月の「伊藤若冲（じゃくちゅう）」展で、同様のキャンペーンを行ったところ、インフルエンサーから「『冲』の字は人名用漢字にない。ハードルが高過ぎるだろう」と批判を受けたが、話題を集めたことから第２弾として実施することにした。

　同美術館によると、田中さんはちらほら訪れているが、速水さんの来場はまだないという。

　珠玉の日本画展は６月１日までで、速水御舟の代表作の一つ、水墨画「木蓮（もくれん）」や田中一村の「白花と赤翡翠（あかしょうびん）」などをメインに、横山大観や菱田春草、奥村土牛、東山魁夷ら、明治初期から昭和後期の日本画５０点が展示されている。

　開館時間は午前９時～午後５時。割引を求める際には、運転免許証など氏名が分かるものを提示する必要がある。問い合わせは同美術館（０４６０・８７・３９３１）。