飲酒運転の発覚免れるため現場を離れたのはひき逃げか…15歳男子が死亡した事故、7日に最高裁判決
読売新聞 / 2025年2月5日 23時29分
長野県佐久市で2015年、中学3年の男子生徒が車にはねられて死亡した事故で、道路交通法違反(ひき逃げなど)に問われた男性被告(52)に、最高裁が7日、判決を言い渡す。男性は飲酒の発覚を免れるため事故直後に現場を数分離れており、救護義務を果たしたかどうかが争点。「一分一秒を争う救護の大切さを示す判決を」と両親は訴えている。(長野支局 安田ななか)
事故は15年3月23日夜に起き、塾帰りに横断歩道を渡っていた和田
発生約30分後の呼気検査でアルコール分が基準値を下回っていたことなどから、男性は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)の罪だけが問われ、長野地裁佐久支部は15年9月、禁錮3年、執行猶予5年の判決を言い渡し、確定した。
「すぐ救護をしていれば、息子は助かったのではないか」。父・善光さん(54)と母・真理さん(53)は、署名活動や独自の事故調査を行うなどして真相究明を求めた。時効まで残り2か月に迫った22年1月、長野地検が男性をひき逃げで在宅起訴。事故直後に店に行くのを優先したことで救護義務を怠ったと判断した。
刑事裁判では、同じ事件を二重に裁くことを禁じる「一事不再理」の原則がある。しかし裁判所は、ひき逃げは過失運転致死事件で量刑の判断材料になっていないとして審理し、その上で評価が割れた。
1審・長野地裁は22年11月、「救護義務を直ちに尽くさなかった」として懲役6月の実刑判決を言い渡した。しかし、2審・東京高裁は23年9月、男性が現場から離れた距離や時間がわずかであることなどを理由に、「救護する意思を失ったとは認められない」などとして一転、無罪とした。
上告を受けた最高裁は昨年12月、検察側、弁護側双方の意見を聞く弁論を開いた。弁論は2審の結論を変えるのに必要な手続きであり、高裁判決が見直される可能性がある。
「頑張り屋さんだった」という樹生君。事故3日前に県立高校に合格し、海外で働くことを夢見ていた。来月で事故から10年。善光さんは「息子がどんな大人になっていたのかとふと思う時がある。飲酒を免れようと現場を一時離れた行為が問われないのは許せない。被害者の命を第一に考えた判決を」と話している。
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