原発事故の屋内退避「3日間」が妥当…原子力規制委検討チームが議論、指定避難所の耐震化など指摘
読売新聞 / 2025年2月5日 23時13分
原子力発電所の事故時に半径5~30キロ・メートル圏内の住民が行う屋内退避について、原子力規制委員会の検討チームが5日、退避期間の目安を「3日間」とする報告書案を議論した。自然災害と原子力災害が重なる「複合災害」への対策強化の必要性なども盛り込み、今年3月末までに最終報告書を取りまとめる方針となった。
原子力災害時の国の対策指針では、原発から半径5~30キロ・メートル圏内を「緊急時防護措置準備区域」(UPZ)とし、住民は自宅や避難所に屋内退避することを定めている。
報告書案では、放射性物質の放出が十分に抑えられることを前提に、屋内退避を実施する期間は「3日間」が妥当と明記した。原子炉施設の状態を確認するのに数日間が必要なことや、国の防災基本計画で最低3日間の食料備蓄を呼びかけていることを理由に挙げた。それ以降は、屋内退避の継続が可能かを随時判断していく必要があるとした。
また、昨年1月の能登半島地震で、土砂崩れなどによる道路の寸断や集落の孤立が起きたことを踏まえ、複合災害への対応も課題とした。放射性物質が放出された場合に逃げ込む「指定避難所」の耐震化や災害に強い避難経路の維持・整備の必要性を指摘している。
このほか、被災者が食料を消費した後に屋内退避が始まる場合も想定し、「屋内退避の継続が可能であるかを(国が)判断する必要がある」と言及している。
5日に開催された検討チームの会合では、メンバーから「(UPZで)避難は例外で、屋内退避が原則であることが伝わりづらいのでは」という意見があった。このため文章の修正やUPZ内の自治体などへの意見聴取を実施したうえで、最終報告書をまとめることになった。
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