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検察の任意取り調べでも全過程の可視化を試行…供述誘導など受け、最高検が方針

読売新聞 / 2025年2月6日 5時0分

最高検察庁

 取り調べの録音・録画(可視化)を巡り、最高検は、法律で義務付けられていない任意の取り調べについても、全過程の可視化を試行する方針を固めた。検事による不適正な取り調べが問題視される中、全面可視化の対象を拡大することで、適正な実施を徹底する狙い。今月19~20日に開かれる検察幹部の会議で対象事件などを議論した上で、試行を開始する見通しだ。

 検察の取り調べを巡っては、2010年に発覚した大阪地検特捜部による証拠品改ざん事件を機に改革が進み、19年施行の改正刑事訴訟法で、裁判員裁判対象事件と検察の独自捜査事件で逮捕・勾留された容疑者について全面可視化が法制化された。

 また、検察は義務付け対象外の事件でも逮捕・勾留した場合は運用で全過程の可視化を行い、現在は9割超で実施している。一方、容疑者を在宅のまま捜査する任意の取り調べでは、検事が自らの裁量で場面を選んで可視化し、全過程ではほとんど行われていないとされる。

 こうした中、19年参院選の大規模買収事件で、東京地検特捜部の検事が任意の取り調べで地元政治家の供述を誘導した疑惑が発覚。録画していない場面で、不起訴を期待させる発言をするなどした一方、容疑を認める場面のみ録画していた。最高検は23年12月、検事の取り調べを「不適正」と認定した。

 このほか、起訴された被告が公判で、任意の取り調べについて「検事から暴言を浴びせられた」「罪を認めないと強制捜査をすると脅された」と訴えるケースも出ていた。弁護士や刑事法の専門家からは「不適正な取り調べをなくすため、任意の事情聴取も全過程で可視化すべきだ」との声が上がっていた。

 最高検は試行の対象について、検察の独自捜査事件などを想定している。取り調べの一部始終を記録することで、検事が自らに都合の良い場面のみ可視化したり、不適正な言動をとったりすることを防ぐほか、取り調べに問題があると指摘された場合にも検証できるという。

 最高検の統計によると、容疑者が逮捕・勾留された事件で全面可視化されたのは、義務付け対象では年間約3000件、対象外では同9万件超となっている。

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