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スマホを持つ小学生が急増、6年生は6割以上 親の心配は健康、トラブル、個人情報...専門家が3つのアドバイス

J-CASTニュース / 2025年2月5日 18時16分

スマホを持つ小学生が急増、6年生は6割以上 親の心配は健康、トラブル、個人情報...専門家が3つのアドバイス

スマホを持つ小学生(写真はイメージ)

小学高学年のスマホ所有率が急上昇していることが、NTTドコモの研究機関モバイル社会研究所(東京都千代田区)が2025年1月30日に発表した「小中学生のスマホ調査」でわかった。

昨年より10ポイントも増加、初めて半数を超えたばかりか、小学6年では62%に達した。

親はどう指導したらいいのか。調査した専門家に聞いた。

小学低学年でも、親との共用を含め5割近く

モバイル社会研究所の調査(2024年11月)は2018年から行っており、全国の小学生および中学生とその親1300人が対象だ。

【図表1】は、関東地域の小中学生に自分専用のスマホとキッズケータイを持っているかを聞いた結果だ。小学高学年はスマホ所有が52%と、初めて半数を超えた。

次に、関東地域の小中学生のスマホとキッズケータイ利用率を【図表2】に示した。親のスマホを利用しているケースも多く、【図表1】の所有率よりもさらに高くなっている。全学年でスマホ利用は上昇しており、特に、小学高学年の利用率は昨年より10ポイント増加し、7割を超えた。中学生の利用率は94%に達している。

【図表1】の所有率と【図表2】の利用率の差は、小学低学年は30ポイント、小学高学年は19ポイント、中学生は7ポイントある。このことから、学年が低いほど子ども自身がスマホを所有せずに、親のスマホを子どもも利用していることがわかる。

【図表3】は、全国の学年ごとのスマホとキッズケータイの所有率を示した。所有率が特に大きく上昇するのは、2か所の学年の移行期だ。

まず、小学2年生から3年生に進級する際に16ポイントの増加。次に小学5年生から6年生に進級する際には21ポイントの増加が確認される。この結果、小学6年生では6割以上(62%)が自分のスマホを持つ状況となっている。

小学生にスマホを持たせる理由1位は「緊急時の連絡」

J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(子ども・シニア・防災調査担当)に話を聞いた。

――小学高学年のスマホ所有率が急に10ポイントもあがりましたが、この理由は何でしょうか。特に小学生から中学生になる時より、小学5年から小学6年になる時に、グ~ンと上がるのが不思議です。

水野一成さん 小学生高学年が上がっている理由はいくつかあります。まず、全体的に年々スマホ所有率が上がっていることから、親の周囲や子の友人もスマホを所有しているケースが増えたと思われます。このことが、子にスマホを所有させる流れを加速している要因になっているのではないでしょうか。

また、小学生の高学年になると、塾や習い事が多くなってくる、また、小6になると塾の時間が遅くなる、ということもあるのかもしれません。当研究所の調査では、子どもにスマホを持たせる理由は「子どもが欲しがっている」よりも「緊急時の連絡」が最も高くなっています。

また、「子どものいる場所の把握」も上位に並んでいます。小学6年くらいが、子どもが親と離れた行動をし始めるタイミング、ということかもしれません。

――2019年から文部科学省が始めた、小学低学年からICT教育を進める「GIGAスクール構想」の影響もあるのでしょうか。

水野一成さん それはあると思います。早い時期からICTスキル(例えば情報検索など)を身に着けている子どもが増えました。その結果、機能が制限された「キッズケータイ」の所有率が徐々に減っています。

つまり、最初に「キッズケータイ」を所有させてからスマホを持たせるケースよりも、最初からスマホを持たせるケースが増えています。

親の心配トップ3は「健康への悪影響」「トラブル」「個人情報漏れ」

――子どもにスマホを持たせることに関して、親が一番心配していることは何でしょうか。

水野一成さん スマホに限定した訳ではないのですが、子どもがICTを利用することへの親の不安に関して、いろいろと調査しています。大きく分けると「健康に関する事項」と「情報に関する事項」の2種に分かれました。

特に、不安と感じている割合が多かったのは「長時間利用による健康への悪影響」「常に視聴しないといられないスマホへの依存」「SNSへの投稿内容をめぐる友人とのトラブル」「ブルーライトによる健康への悪影響」、そして「出会い系サイトやアダルトサイトを閲覧すること」などです。いずれも9割近くの親が心配しています。

また、子どもが「自分自身の個人情報を公開してしまい、行政や企業などに悪用されること」も8~9割の親が不安に思っています。

親子で話し合って一緒にルールを作り、罰則も決めておく

――スマホを持たせると、親の心配のタネはつきませんね。専門家としてどういう対策をとったらよいか、アドバイスをお願いします。

水野一成さん 当研究所の調査では、子どもとスマホのルールを決めている親が多いのですが、学年によって異なっています。小中学生の親で共通して多いのが「勝手に課金・ネット購入をしない」でした。また、低学年では「食事中に利用しない」など、場所や利用時間に関する項目が上位です。

学年が上がると「個人情報に関する内容をアップしない」「面識のない人と連絡をとらない」といった個人情報に関する項目が上位となります。

スマホのルールを作る際にこの調査「モバイル社会2024年版 第7章子どものICT利用」を参考にしていただければと思います。
また、ルールを作る際に3点、大切なことがあります。

(1)親と子で話し合い、一緒に作る。
(2)作ったルールを定期的(学年が上がる・長期休みに入る前など)に見直す。
(3)ルールを破った時の対応を決めておく。

ぜひ、こうしたことを参考に、それぞれの親子の関係に合わせて作成いただきたいです。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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