1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

バブル崩壊で30年塩漬けの阿蘇の県有地、投資額の2・6%で売却…県「活性化を期待」

読売新聞 / 2025年2月6日 16時23分

 30年以上前のバブル期に熊本県が買収したが企業を誘致できず、譲渡先を公募していた高森町の「阿蘇ソフトの村」用地について、県は5日、総合ブライダル企業「マリーゴールドホールディングス(HD)」(熊本市東区)と契約を締結する方針を明らかにした。譲渡予定額は約1249万円で、県の投資総額の約2・6%にとどまる。同社はキャンプ場を備えた施設の整備を計画している。(古野誠)

 用地は阿蘇五岳・根子岳の麓にある高森町・上色見地区の山林で、県が1990年度からソフトウェア企業の進出を見込んで民有地を買い進めた。計19・2ヘクタールを約2億3800万円で買収し、起債償還に伴う利子負担や事務費なども含め、投資額は約4億7900万円に上っていた。

 バブル経済が崩壊し、企業進出は進まなかった。用地は「塩漬け」となり、2012年の九州北部豪雨に伴う国の砂防工事で一部を売却した後は、18・8ヘクタールが残ったままだった。県の包括外部監査は計画の見通しの甘さを指摘し、「土地の有効活用や処分を進める必要がある」としていた。

 県は、台湾積体電路製造(TSMC)の進出に伴う人流の活発化を受け、昨年4~6月に公募を開始。不動産鑑定の結果を踏まえて予定価格を約1249万円とし、今年1月、応募があった5団体から同HDを選んだ。

 同HDの計画では、グランピングやデイキャンプができる施設、野草園などの「アウトドアゾーン」、協力企業を募って広葉樹を植樹する「森林保全活動ゾーン」に分けて開発を進める。用地引き渡し後、5年以内の開業を目指す。

 県産業支援課は「計画策定当時、複数の企業進出の見込みがあった。見通しが甘いとの指摘はやむを得ない。今後は自然環境をいかして、地元住民も一緒になって活性化していくことを期待する」としている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください