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オンライン診療 地方の高齢者にも使いやすく

読売新聞 / 2025年2月7日 5時0分

 患者と医師をインターネットでつなぐ「オンライン診療」は、医師不足が深刻化している地方にとって、有効な対策になるはずだ。

 シニア世代にも使いやすくなるよう体制を整えたい。

 パソコンやスマートフォンの画面越しに行うオンライン診療は、新型コロナウイルスの流行を機に、院内感染防止などを目的として活用が広がった。

 ただ、利用者の世代には大きな偏りがある。厚生労働省がコロナ禍での受診状況を調べたところ、利用者の7割が40歳以下で、高齢者は数%にすぎなかった。

 高齢になるほどデジタル機器が苦手な人が多いことが一因とみられる。オンラインでは十分な治療が受けられないのでは、といった不安も影響していよう。

 確かに、風邪のような症状でも重病が潜んでいることはある。急な胸痛や腹痛のように緊急処置が必要になる恐れのある症状も、オンライン診療に向いていない。

 一方、高血圧や糖尿病などの慢性疾患が安定した状態で定期通院している場合などには、オンラインで診察を受けて薬が郵送されれば便利だろう。

 厚労省は、自宅で受けることを原則としているオンライン診療の規制を緩和し、公民館や郵便局、駅の中などの身近な施設でオンラインによる医師の診察を受けやすいようにする方針だ。

 これまで公民館などをオンライン診療の受診施設とする場合、その施設は「医師が常駐しない診療所」と位置づけ、都道府県から開設許可を得なければならなかったが、それを不要とする。

 デジタル機器に慣れていないお年寄りが、自宅で一人で操作するのは難しいだろう。公民館の職員など手助けする人がいれば、利用しやすくなるのではないか。

 ただし、多くの人が訪れる場所にこうした受診施設を設ける場合、病気に関する情報が他人に漏れないよう、プライバシーに配慮することが欠かせない。

 万が一、患者の容体が悪化する事態に備え、受け入れ先となる医療機関をあらかじめ取り決めておくことも重要だ。

 オンライン診療には、地方の患者が、都市部に集中する専門医の診察を、地元にいながら受けられる利点もある。長崎県では、離島の病院にいる患者が、本土の長崎大病院の専門医にオンライン診療を受ける試みが行われている。

 先行事例の成果や課題を共有し、各地で役立ててほしい。

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