米IT5社がそろって過去最高の売上高、生成AIサービス拡大で…中国「ディープシーク」に警戒感も
読売新聞 / 2025年2月7日 21時58分
【ニューヨーク=小林泰裕】米大手IT5社の2024年10~12月期決算が6日、出そろい、全社の売上高が四半期ベースで過去最高となり、4社が最高益を記録した。生成AI(人工知能)サービスの拡大が好業績を先導したが、今後は中国のAI開発企業「ディープシーク」の登場で収益を圧迫される恐れもある。
売上高は、ネット通販大手アマゾン・ドット・コムが前年同期比10%増の1877億9200万ドル(約29兆円)、アップルが4%増の1243億ドル(約19兆円)、グーグルの親会社アルファベットが12%増の964億6900万ドル(約15兆円)、マイクロソフト(MS)が12%増の696億3200万ドル(約11兆円)、メタ(旧フェイスブック)が21%増の483億8500万ドル(約7兆円)だった。
最終利益も、アマゾンが88%増の200億400万ドルとなるなど、MSを除く4社が過去最高となった。
生成AIサービスの提供基盤となるクラウド事業の売上高は、アルファベットが30%増の約120億ドル、アマゾンが19%増の約288億ドル、MSが19%増の約255億ドルと堅調だった。
メタも、SNSにAI機能の搭載を進めたことなどで利用者が増加し、売上高の9割超を占めるオンライン広告収入が21%増だった。
アップルは生成AI機能の提供開始が遅れ、新型iPhone(アイフォーン)の販売が伸び悩んだが、動画や音楽配信などのサービス部門が好調だった。
昨年11月の米大統領選に関連して、選挙広告が増加したことも各社の広告収入を押し上げた。
一方、今後の懸念材料となるのがAIへの巨額の設備投資だ。安価で高性能なディープシークのAIの登場により、巨額投資が想定されたほどの収益を生まないとの警戒感が投資家の間で広がりつつある。
金額を公表していないアップルを除く4社の24年10~12月期の設備投資額は計約780億ドル(約12兆円)で、前年同期比1・8倍に急増した。AIの開発や運用に必要なデータセンター関連の投資が大半を占める。
設備投資は25年も拡大する見通しで、アマゾンは24年の実績値から3割増の約1000億ドル(約15兆円)、グーグルは4割増の750億ドル(約11兆円)、メタは50%以上増の最大650億ドル(約10兆円)を見込む。いずれもトヨタ自動車の年間設備投資(23年度に約2兆円)を大きく上回る。
アマゾンのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は6日の決算説明会で「AIの低コスト化が進めば普及が促進され、市場は拡大する」と強気の見方を示したが、アマゾン株は6日の時間外取引で一時5%超下落した。
ディープシークのAIは世界トップクラスの性能を持ちながら、利用料金は米オープンAIの最新モデルの数十分の1に設定されている。米国勢はディープシークに需要を奪われたり、対抗のため料金の値下げを強いられる可能性がある。市場の不安を抑えるためにはAIの開発や運用の効率化を急ぐ必要がある。
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