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埼玉・八潮市の陥没事故、ガスマスク着けた作業員が下水道管内に…知事「災害適用するべき」

読売新聞 / 2025年2月8日 6時55分

陥没事故の現場。近くには民家や商店がある(7日午前、埼玉県八潮市で)

 埼玉県八潮市の県道が陥没し、トラックが転落した事故では7日も、70歳代男性運転手の捜索に向けた準備が続いた。同日夜には県が、穴の内部で不安定な状態になっていたコンクリート製の農業用水路の撤去作業を開始。下水道管の下流部ではドローンを使った、管内の確認も続けられた。

 農業用水路は、ボックスカルバートと呼ばれるコンクリート製の箱(縦横1・5メートル、長さ2メートル、重さ推定5トン)をつなげたもので、現在は使われていない。

 穴に湧き出した水が、用水路下の土砂を削り取ったため、「宙づり」状態となり、崩落の危険性が高まっていた。穴内部で捜索活動を始めるために、用水路のうち長さ20~30メートルほどを撤去する計画という。作業は7日午後7時半頃から始まり、2日程度で終える見込みだ。

 撤去作業に向けて、県は、崩れやすい土砂を固めるため、周囲の土壌に薬液を注入。事故現場近くの民家など16軒に対しては、避難を呼びかけた。

知事避難所視察

 大野知事は7日夜、避難所となっている八潮市鶴ヶ曽根の体育館を視察した。避難している約10人に向けて、撤去作業が周辺の地盤に影響を与える恐れや、地盤を強化するため避難生活が長期化する可能性について説明。「県道が陥没し、大変ご迷惑をかけた」などと謝罪したという。

 報道陣に対し、大野知事は「『知事の力を信じている』との言葉をかけられた。可能な限り速やかに安全安心な街を取り戻す」と述べた。同体育館に身を寄せている会社員の女性(50)は「近くの地盤が緩み不安定になってしまうのではないか。元の生活に戻れるのだろうか」と不安を漏らした。

 下水道管の下流部ではこの日もドローンを使った管内調査が行われた。トラックの運転席部分とみられるものは、事故現場の穴から下流100~200メートル部分にあることが確認されている。近くにはがれきが積み上がり、下水道管を塞いでいるとみられている。

 調査では、下流のマンホールからガスマスクを着けた複数の作業員がドローンを持って、管内に下りていった。下水から発生した硫化水素が充満している可能性があるためで、慎重な作業が続いている。

内閣府「陥没への適用は想定していない」

 県道陥没事故について、大野知事は7日午後、「事故」として扱うのではなく、災害対策基本法を適用し、「災害」とすべきだとの考えを報道陣に示した。

 県は事故発生翌日の1月29日から、「危機対策会議」を設置し、捜索方法や下水利用の自粛要請などを協議している。大野知事は同日朝、内閣府に対し、同法を適用して「災害対策本部」とすることを相談したが、「道路の陥没への適用は想定していない」との見解を示されたと明らかにした。

 大野知事は「今からでも変えてもらえるなら変えてほしい」と述べた。

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