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キャベツの価格2・7倍、1日8個使うとんかつ店主「豚肉もコメも高騰している中で…経営圧迫」

読売新聞 / 2025年2月9日 11時40分

「玉が小さくて軽いモノが多い」と嘆く鈴木さん(1日、茨城県古河市で)

 食卓に欠かせないキャベツの高騰が続いている。昨夏の酷暑などが影響したとみられ、2023年の出荷量が全国4位と有数のキャベツ産地である茨城県内でも、農家や消費者が大きな打撃を受けている。(吉村悠、西海弘輔)

 古河市仁連にある鈴木健二さん(41)の70アールの畑を1日、訪ねた。3~4月に収穫するキャベツが畑を埋め尽くしていたが、玉が小ぶりで、重さは例年の3分の1程度のものが目立つ。

 9月上旬に苗を植えた後も猛暑や雨不足が続き、根が十分張らなかったのが原因とみられるという。10アールあたり5トンが収量の目安だが、今年はかなり減りそうだ。「ここまでひどいのは初めて」と鈴木さんは肩を落とす。

 農林水産省の食品価格動向調査では、1月27~29日のキャベツの全国平均価格は1キロ・グラムあたり450円で、平年比2・7倍の高値となっている。価格は昨年11月頃から高止まりしている状態だ。

 関東農政局によると、夏の暑さのほか、冬の降水量が少ないことも影響したとみられる。水戸地方気象台の昨年12月の観測では、県内の23地点で降水量が平年よりかなり少なかったという。

 消費者にとっても頭の痛い状況が続いている。水戸市のスーパーマーケット「かわねや水戸大町店」では6日、キャベツ1個が約300円で売られていた。平年より100円ほど高い。手に取りやすいよう、サイズを半分、4分の1にした商品も増やしたり、日によって約70円引きのセールを行ったりするなどして対応している。鴨志田忠弘店長は「旬のものを味わえるよう、価格が下がってほしい」と話した。

 水戸市内で夫、息子2人と4人暮らしという女性(46)は「キャベツが高いので、サラダや付け合わせにはレタスを選んでいる」と話す。

 飲食店からも苦しい声が聞かれる。同市笠原町の「とんかつ八戒」では、1日に8個ほどのキャベツを使用している。値段を据え置く中、とんかつの付け合わせに欠かせないキャベツの高騰に、店主の石塚仁志さん(54)は「豚肉や米も価格が高騰している中で、(キャベツの高騰も)経営を圧迫している」と話す。

 関東農政局によると、東京都中央卸売市場での卸売価格は1月上旬に1キロ・グラムあたり300円超にまで高騰した。依然として平年の同100円前後に比べれば高い状況だが、2月4日現在は同200円を切るまでに下落している。関東農政局は今後3、4月の作柄が平年並みに改善すれば価格が下落するとみている。

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