雪が積もる仙台なのに…住宅街の公園にクマ、専門家「食べ物があれば冬眠しない」
読売新聞 / 2025年2月8日 22時45分
冬場に人里に出没するクマが相次いでいる。仙台市泉区では7日朝、住宅街の公園に成獣とみられるクマ1頭が現れ、市などが捕獲した。この時期は冬眠していると思いがちだが、クマの生態に詳しい専門家は「食べ物があれば冬眠しないクマもいる」と注意を呼びかけている。
同区高森の高森自然公園周辺では7日午前5時55分頃から7時15分頃にかけ、目撃情報が泉署に相次いで寄せられた。幼稚園や小学校、住宅などが密集している地域で、署員や市職員らが駆けつけて捕獲を開始した。
午前7時半頃、署員が公園内の茂みの中にいるクマを発見。麻酔で眠らせて正午過ぎに捕獲した。体長約1メートル30、体重約80キロで、市は市街地から離れた山に放った。幼稚園は臨時休園し、小学校は登校時に教職員やボランティアが巡回するなどの対応を取った。
クマは11月頃から冬眠を始め、4月頃に目覚めるのが一般的とされるが、東京農業大の山崎晃司教授(動物生態学)は「クマは寒さではなく、飢餓に適応するために冬眠する。食べ物さえあれば、冬眠しない個体もいる」と指摘。柿や栗、ドッグフードなどの食べ物がある市街地周辺で生息し、冬眠しないクマが冬季に出没する可能性があるという。
しかし、市によると、今回の出没した地域周辺でゴミの集積場などが荒らされていた形跡は確認されていないという。山崎教授は「冬眠していた穴の近くに人や犬が通るなどして刺激を受けたクマが目を覚まし、穴を変えるために移動していた可能性もある」とする。
県自然保護課によると、昨秋は餌のドングリなどが豊作だったため、今冬の目撃件数は昨冬より減っている。それでも東京農工大の小池伸介教授(生態学)は「クマは人間が思うよりも近くにすんでいる」とし、「クマに遭遇したときはパニックにさせないことが大事。大声を出したり、後ろを向いて走ったりすることは危険だ。市街地では車や家に逃げ込んでほしい」と呼びかけている。
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