兵庫知事選捜索 SNS戦術の実態解明を急げ
読売新聞 / 2025年2月8日 5時0分
SNSを駆使した選挙戦の正当性が問われる事態である。長期化する兵庫県政の混乱を収拾するためにも、疑惑の全容解明が欠かせない。
昨年11月の知事選で当選した斎藤元彦知事側から選挙運動の報酬を受けた疑いがあるとして、神戸地検と県警が、PR会社の関係先を公職選挙法違反(被買収)容疑で捜索した。押収資料を調べ、立件の可否を判断する。
この疑惑では、弁護士と大学教授が昨年、斎藤氏とPR会社の代表を告発していた。捜査当局は、代表側に資料の任意提出を求めたが、十分に応じなかったため、強制捜査に踏み切ったとされる。
斎藤氏は昨年、パワハラ疑惑などで県議会の不信任決議を受け失職したが、知事選に再出馬した。当初は劣勢と伝えられたが、後半の追い上げで再選を果たした。
PR会社はSNS向けに斎藤氏の街頭演説を動画撮影し、大きな成果を上げたとされる。選挙運動は無報酬が原則だ。知事側から会社に対価が支払われていたなら会社と斎藤氏の責任は免れまい。
PR会社の代表は選挙後、「広報全般を任されていた」とネット上に投稿した。一方の斎藤氏は「広報全般を依頼した事実はない」と違法性を否定しているが、詳細については「代理人に任せている」として説明を避けている。
自身の選挙に疑念が持たれている以上、自ら説明責任を果たすのが政治家としての責務だろう。
知事選では、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が斎藤氏の当選を目的として出馬し、斎藤氏の応援を展開した。この「2馬力選挙」は選挙の公平性を損ねるとして、国会で法改正に向けた議論が進んでいる。
斎藤氏のパワハラ疑惑などについては、県議会百条委員会や第三者委員会が調査を続けており、近く報告書がまとまる予定だ。
昨年3月の内部告発を公益通報として扱わなかった斎藤氏らの対応も焦点となっている。
百条委の委員だった前県議が死亡する事態も起きた。
様々な課題と疑惑を積み残したまま2期目に入った斎藤県政は、今回の強制捜査によって、さらに混迷を深めそうだ。
兵庫県政を巡る騒動が起きてから間もなく1年になる。斎藤氏の対応のまずさが、混乱を長期化させている面は否めない。事態の収拾と県政の安定に向け、斎藤氏の指導力が問われている。
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