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日米首脳会談、石破首相が対米151兆円の投資表明…「日本の投資は5年連続で世界1位だ」

読売新聞 / 2025年2月8日 11時18分

日米首脳会談でトランプ米大統領(右)と握手する石破首相(7日、ワシントンのホワイトハウスで)=須藤菜々子撮影

 【ワシントン=太田晶久、阿部真司】石破首相は7日午前(日本時間8日未明)、ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と初めて対面で会談した。首相は日本の対米投資額を1兆ドル(約151兆円)に引き上げると表明し、米国産液化天然ガス(LNG)の輸入を増やす考えも伝えた。懸案の日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡っては、対米投資との認識を共有し、事態打開を目指す方針で一致した。

 会談は昼食会を含め約1時間50分行われた。両首脳は、米国による日本防衛への「揺るぎない関与」や「自由で開かれたインド太平洋」に向けた日米連携を明記した共同声明を発表した。

 日本の対米投資額の残高は2023年に7833億ドル(約120兆円)で、5年連続トップだ。今後、1兆ドルに引き上げ、トランプ氏の「米国第一主義」への貢献をアピールする狙いだ。

 首相は「日本の対米投資は5年連続で世界1位だ」と訴え、トヨタ自動車やいすゞ自動車が米国で進める最新の工場建設計画を説明。両首脳は、日米間の投資・雇用拡大に向けた協力を確認し、日本の米国産LNG輸入増を含むエネルギー安全保障の強化で一致した。

 トランプ氏は会談後の共同記者会見で、USスチールについて、「彼ら(日鉄)は買収ではなく、多額の投資を行うことで合意した。投資は大好きだ。OKだ」と語った。現行の買収計画を何らかの形で修正すべきだとの認識を示したものとみられる。来週中に日鉄幹部と面会し、対応を協議することも明らかにした。

 買収計画は、バイデン前大統領が国家安全保障上の懸念を理由に禁止命令を出し、破綻の危機にひんしている。今回の会談を機に局面が転換する可能性もあるが、先行きは予断を許さない。

 トランプ氏は会談の冒頭、米国の対日貿易赤字が「1000億ドル(約15兆円)規模」に達すると主張し、日本側に解消を迫った。解消しない場合に関税引き上げを検討するか記者団に問われ、「する」と明言した。

 両首脳は会談で、中国による東・南シナ海での一方的な現状変更に反対し、台湾海峡の平和と安定の重要性を確認。北朝鮮の完全な非核化や、日本人拉致問題を巡る協力を申し合わせた。

 首相は、2027年度までの5年間で安全保障関連費を対国内総生産(GDP)比2%に引き上げる計画に着実に取り組んでいることを説明し、理解を求めた。共同声明では、次期防衛力整備計画でのさらなる増額も念頭に、「27年度より後も抜本的に防衛力を強化していく」方針を明記した。

日米首脳共同声明の要旨

日米同盟

 日米関係の新たな黄金時代を追求する。同盟はインド太平洋及びそれを超えた地域の平和、安全、繁栄の礎であり続ける。日本は防衛力抜本的強化への約束を改めて表明し、米国は歓迎した。米国は核を含むあらゆる能力を用いた、日本防衛への揺るぎない関与を強調。日米安全保障条約5条の沖縄県・尖閣諸島への適用を改めて確認。自衛隊と米軍の指揮・統制枠組み向上やサイバー・宇宙分野での連携強化、沖縄の基地負担軽減を実施するため、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を早期に開催。

経済

 2国間の経済協力が同盟協力の不可欠な一部を成すことを確認。米国から日本への液化天然ガス(LNG)輸出を増加する。

多国間連携

 自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、日米豪印、日米韓、日米豪、日米比といった協力を推進。

地域情勢

 中国による東シナ海での現状変更の試みに強い反対を表明。台湾海峡の平和と安定を維持する重要性を強調。北朝鮮の完全な非核化を改めて確認し、拉致問題の即時解決を米国が支持。

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