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石破首相がUSスチール買収計画の修正提示、「投資」で合意…アメリカ側は再検討へ

読売新聞 / 2025年2月9日 5時0分

日米首脳会談でトランプ米大統領(右)と握手する石破首相(7日、ワシントンのホワイトハウスで)=須藤菜々子撮影

 【ワシントン=太田晶久、阿部真司】石破首相は7日(日本時間8日)、ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と初めて対面で会談した。日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り、首相は計画の修正案を示し、トランプ氏は了承、米政府は計画の再検討に入った。首相は対米投資額の1兆ドル(約151兆円)への引き上げや米国からの資源輸入を増やす意向も表明した。

 会談は昼食会を含め約1時間50分行われた。首相周辺によると、修正案は日鉄側と事前調整した。首相は更なる雇用を生むために大幅に投資額を上積みすることを説明し、「バイデン前政権時は買収だったが、トランプ政権では投資になる。前政権で解決できなかった問題が解決できる」と伝えた。トランプ氏は「気に入った」と応じたという。

 その後の共同記者会見で、トランプ氏は「(USスチールは)米国にとって非常に重要な会社だ」と述べ、「彼ら(日鉄)は買収ではなく、多額の投資を行うことで合意した」と語った。週内に自ら日鉄幹部と面会する考えも明らかにした。

 買収計画はバイデン前大統領が禁止命令を出し、暗礁に乗り上げていたが、首相は局面転換に成功した格好だ。首相も会見で「トランプ大統領と強く認識を共有した」と強調した。

 首相は会談で、2023年時点で7833億ドル(約120兆円)と5年連続トップだった対米投資額を、今後1兆ドルに引き上げる考えを表明した。トヨタ自動車やいすゞ自動車の最新の工場建設計画を提示し、米国産液化天然ガス(LNG)などの輸入拡大も伝えた。

 トランプ氏は共同記者会見で投資拡大を「非常に興奮している」と歓迎しつつ、米国の対日貿易赤字が「1000億ドル(約15兆円)規模」に達すると主張。解消しない場合は関税引き上げも検討するとした。

 両首脳は共同声明を発表し、米国による日本防衛への「揺るぎない関与」や「自由で開かれたインド太平洋」に向けた連携を表明した。中国による東・南シナ海での一方的な現状変更に反対し、日米豪印による「Quad(クアッド)」や日米韓などの多国間連携の枠組み推進を確認した。

 北朝鮮の完全な非核化や日本人拉致問題の即時解決で一致し、台湾問題を巡り、「力または威圧による一方的な現状変更の試みに反対」とこれまでよりも踏み込んだ表現で中国をけん制した。

 首相は8日夜、政府専用機で羽田空港に到着した。

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