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兵庫県議会の百条委、斎藤元彦知事のパワハラ疑惑など巡り4会派の見解割れる…「着地点見いだすの難しい」

読売新聞 / 2025年2月9日 6時30分

 兵庫県の斎藤元彦知事に関する内部告発問題で、県議会(定数86)の百条委員会による調査報告書のとりまとめに向けて、主要4会派が提出した見解が、複数の県議や議会関係者への取材でわかった。パワハラ疑惑や県の内部告発への対応について意見が割れており、集約には難航も予想される。

疑惑

 告発者の男性職員(昨年7月に死亡)は告発文書で、「出張先で公用車を降り、20メートル歩かされただけで職員をどなり散らした」「机をたたいて激怒」「幹部にチャットで時間おかまいなしに指示」などのパワハラ疑惑を指摘。斎藤氏は百条委の証人尋問で、行為自体は認めたものの、「パワハラかどうかは、百条委が判定すること」などと評価を避けた。

 主要4会派のうち、自民党(38人)は「パワハラに近い叱責しっせきがあったと言わざるを得ない」と指摘する一方、パワハラ認定については「会派でも様々な意見があり、慎重な判断を要する」とし、専門家の意見を聞いて判断すべきだとした。

 維新の会(21人)は、「20メートル」の件や「机をたたいて激怒」などについて、「(パワハラの)認定が困難であり、司法の判断によるべきだ」とした。一部の疑惑については、百条委の証人尋問に応じた職員らの証言が一致せず、事実認定ができないとした。

 公明党(13人)は「明確にパワハラと認定できる事象は認められない」とする一方、「業務上必要な範囲を超えた不適切な叱責が行われていた」とした。

 立憲民主党県議らでつくる「ひょうご県民連合」(8人)は、斎藤氏の行為をパワハラ認定するべきだと主張。「トップの言動としては極めて不適切」とした。

対応

 県の内部告発への対応を巡っても、4会派の意見は割れた。

 斎藤氏は昨年3月、告発文書を把握した直後、部下に告発者捜しを指示。男性職員は4月に県の公益通報制度を利用して通報したが、県は5月、「(文書は)核心的な部分が事実でない」として、他の3件の不適切な行為も含め、男性職員を停職3か月の懲戒処分とした。

 斎藤氏は百条委で、「事実でないことが書かれており、誹謗ひぼう中傷性の高い文書だと認識していた」とし、対応は問題ないとの主張を繰り返した。一方、百条委に招致された3人の有識者は、公益通報の調査結果が判明する前に告発者捜しが行われたことなどを問題視した。

 自民は告発文書について「公益通報に当たると考えるべきだ」と指摘。告発者捜しについて、「文書の調査をせずに作成者の特定を行っており、(告発者を保護する)公益通報者保護法違反と考えられる」とした。

 県民連合は告発者捜しに加え、斎藤氏が昨年3月27日の記者会見で、告発文書は男性職員が作成したと公表したことについても「告発者潰しと捉えられかねない不適切な対応」と批判した。

 これに対し、維新は「(告発文書は)人格を攻撃するような文言が並んでおり、(公益通報に該当するかについて)強い疑念が生じているケースだった」とし、告発者捜しは「『やむを得なかった』と言わざるを得ない」と判断。「違法性があったとまでは断定できない」とした。

 公明は、告発された斎藤氏や県幹部が告発者捜しをしたことについて、「中立公正な調査を行い、冷静な判断に基づく対応が必要だった」と指摘する一方、違法性の有無については「見解が分かれる」とした。

3月上旬公表

 百条委は、調査報告書のとりまとめに向けて、非公開の協議会を設置。各会派の見解を踏まえ、10日から週1回程度のペースで議論する予定だ。報告書は3月上旬の公表を目指している。

 各会派の見解が分かれていることから、協議会では、どのように意見を集約するかについても話し合うという。百条委のメンバーの一人は「着地点を見いだすのが難しい」と漏らした。

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