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プロ野球「第三」のユニホーム、数試合限定にプレミア感…復刻デザイン人気や義援金活動にも

読売新聞 / 2025年2月11日 5時0分

橙魂ユニホームを着用する小林、大城、岸田選手(左から)

 近年、プロ野球の試合では、ホーム、ビジター用とは違う「第三」「第四」のユニホームを目にする機会が増えた。このようなユニホームはいつ頃誕生し、どのような効果が期待されているのか。

「黒い」トラ、「ギザギザ」ロッテ

 今季、球団創設90周年を迎える阪神タイガースは1月、戦後、「ダイナマイト打線」の異名を取った頃をモチーフにした復刻ユニホームを発表した。黒が基調で、当時の球団名「大阪タイガース」にちなみ、胸に「OSAKA」のロゴを入れた。

 「初代ミスタータイガース」の藤村富美男さんらがいた昭和の雰囲気を醸しだし、森下翔太選手(24)は「あまりない色合い。かっこいい」と気に入った様子。8月の主催5試合で着用する予定。夏休み中とあって、家族連れらの注目を集めそうだ。

 このような「第三のユニホーム」が始まった時期は判然としないが、先駆的な試みとされるのが、1998年に中日ドラゴンズ、千葉ロッテマリーンズが日曜日に着た「サンデーユニホーム」だ。ロッテ球団広報によると「新たなファンサービスの一環だった」といい、曜日限定というアイデアが注目を集めた。

 監督が手がけた独自のデザインが人気を博することも。袖にギザギザ模様をつけた2004年のロッテのユニホームは、ボビー・バレンタイン監督が法被から着想を得たとされる。23年には、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督がプロデュース。赤と黒を大胆に配色し、胸元に「VICTORY(勝利)」の「V」をあしらうという斬新さで、アッと言わせた。

 一般的に特別ユニホームは数試合限定のため、プレミア感から試合に付加価値をつけやすい。阪神、福岡ソフトバンクホークスは例年、夏場に限定ユニホームのレプリカを配布。観客席がほぼ一色に染まり、ファンが一体感を楽しむ人気企画となった。球団もフードイベントなどと連動させ、観客の満足度を高める。

 オリックス・バファローズは、ストライプ柄の「サードユニホーム」を取り入れるほか、過去には前身の阪急ブレーブスや、統合球団の大阪近鉄バファローズのユニホームなどを復活。「昔ながらのファンに喜んでもらえた」(球団)といい、若いファンが歴史を知る機会にもなった。

 社会貢献を意識した動きもある。読売巨人軍は東日本大震災が起きた翌12年、チームカラーのオレンジを押し出したユニホームで公式戦に臨む「橙魂とうこんプロジェクト」を開始。選手が着たユニホームを慈善オークションに出品し、被災地への義援金とするなど支援活動を続けてきた。

 今季は5月27日に富山県、28日に石川県で開催する広島東洋カープ戦など8試合を企画。「Family Orange=共にある一体感」をテーマに、能登半島地震、能登半島豪雨に対する復興支援の思いを込める。別の企画として、黒基調のユニホームで戦う「ブラックダイヤモンドシリーズ」も実施する。

 第三のユニホームに憧れを持つ選手もいる。ここ数年、採用していない広島では、栗林良吏投手(28)が昨季終了後、球団に製作を要望。このような選手からの申し入れは異例だ。

 栗林投手は「相手チームが楽しそうにプレーしているように見えた。ファンと(同じユニホームを)着て勝てたらいい」。球団も「今夏に実現できるよう調整している」と検討を始めた。

 ちなみに昨季までの3年間で、橙魂シリーズにおける巨人の戦績は12勝8敗1分け。特別ユニホームが、選手の背中を押しているという見方もできそうだ。

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