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「元の生活に戻れるのか」…八潮の陥没事故から2週間、下水道利用自粛・電話不通・通学路変更

読売新聞 / 2025年2月10日 20時52分

住宅のすぐ前まで穴が迫った陥没現場。穴の内部では重機による作業が続けられた(10日午後、埼玉県八潮市で)=今村錬撮影

 埼玉県八潮市で県道が陥没してトラックが転落した事故は11日で発生から2週間となる。運転手の男性(74)の捜索が難航する中、県は陥没現場周辺で崩落が続く恐れがあるとして一部世帯への避難、12市町の約120万人に下水道利用の自粛を継続して求めるなど、生活への影響が長期化している。

 事故は1月28日午前に発生、県道交差点の中央付近が陥没した。直径10メートル程度だった穴は新たな陥没などで最大幅40メートルに拡大し、住宅のすぐ前まで迫った。陥没が広がる危険があり、県は一時周辺の計16軒に避難を要請し、10日現在5世帯11人が避難所に身を寄せる。現場から半径50メートル以内に自宅がある会社員女性(51)は「高齢の母も疲れを見せている。元の生活に戻れるのか」と不安を口にする。

 現場周辺の交通規制などのため、近くの潮止小学校では約180人の児童が通学路の変更を余儀なくされた。工事車両や迂回うかいする車が行き交い、交通量が増える中、慣れない道を通らざるを得ず、登下校時は教職員らが見守りを続ける。

 陥没で地下ケーブルが切断され、周辺では電話が約400回線不通になるなど通信にも支障が出た。10日以上ファクスが使えなかったという近くの自動車整備会社は、顧客に送る書類を10キロ・メートル以上離れた工場まで運んでから送信していたといい、従業員の女性(42)は「かなりの負担だった」と振り返った。

 捜索活動の妨げとなる下水の流量を減らすため、節水への協力要請も続く。上流部にある蓮田市の「こやま旅館」は排水を減らそうと、素泊まりのみにしている。小山勉支配人(63)は「食事の提供がないため宿泊が取りやめになったケースもあったが、少しでも協力したい」と話した。

下水管内に小型カメラ入れ調査へ

 埼玉県は10日、下水道管内で見つかったトラックの運転席部分とみられるものの位置を特定するため、地表から直径15センチ、深さ10メートルほどの穴を開け、小型カメラなどを入れて内部を調べると明らかにした。

 運転席部分とみられるものは5日のドローンを使った調査で、陥没現場の100~200メートル下流付近で見つかったが、正確な場所はわからなかった。

 一方、陥没現場では9日、中断していた消防の捜索が再開されたが、運転手の手がかりはつかめなかった。スロープは崩落の危険もあり、この場所での活動は終了した。

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